宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー(上・中・下巻)』(角川書店)

ヴェスナ・エスタ・ホリシア。
再びあいまみえる時まで。


ブレイブ・ストーリー(上)ブレイブ・ストーリー(上)
宮部 みゆき

角川書店 2003-03-05
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映画は七月公開!

亘は小学五年生。成績はそこそこ、趣味はテレビゲーム。
平凡だけれど、穏やかな毎日を送っていた。
学校ではとあるビルに幽霊が出るという噂が女子を中心に広がっていた。
そんな中、亘の父親が家を出て行ってしまう。
突然の離婚話に戸惑う亘。
転校生の美鶴にそこに辿り着くことができれば、願い事を叶えてくれる「運命の女神」の存在を聞いた亘は幻界(ヴィジョン)へと旅立つ決心をする。
「不当にねじ曲げられ変化させられている運命を、元どおりの正しい形に戻すんだ」


家でじっくり読んだら良かった、という感想です。
電車の中で読んでいたら途中涙がっ。
夢だとか勇気だとか冒険だとか、そういった単語にまるで興味がそそられないひとには面白くないのかもしれませんが、私はむちゃくちゃ弱いので、夢中で上中下巻読み切りました。
もう、もう、面白かったです!

宮部みゆきさんの本の中で少年が主人公というと、私が読んだ中では『今夜は眠れない』『夢にも思わない』があります。
この作品ふたつもワタルと同じように家族に降って湧いた、周りのひとに降って湧いた突然の出来事を解決するべく立ち上がる少年が主人公です。
宮部作品の良いところは(何だか偉そうな物言いかもですが)”善”だけを描くのではなく、ワタルの中に、全てのひとびとの中に善と悪が必ず共存しているように、ちゃんと”悪”も描いているところだと思います。
子供にも容赦なく、試練を与える。
これは確かにそう、子供だって時に大人と同じように、もしくはそれ以上に傷つき、子供なりに苦悩する、それを乗り越えねばならない。
そして、単にイジワルのように試練を与えるのではなく、子供には乗り越えるための強さがあると信じているように感じます。
対照的な存在として出てくる転校生のミツルも、一生忘れることなどできない過去がある。
二人は自分の運命を変えるために”幻界”へ。
自分の願いごとのためならば、何をやってもかまわないミツル。
”幻界”と”幻界”で出会った仲間たちと出会い、確実に成長していくワタル。
願い事のためならば、他のものはどうなってもいいの?後半はその問いかけがついてきます。
文庫の上巻~下巻を読み、ワタルのあまりの成長ぶりには目をみはるばかり。
異世界で自分のために、家族のために頑張り、成長してゆく姿はジブリの『千と千尋の神隠し』と近いものを感じます。
何ともたくましい子供たち。
歳だけオトナの私がはっとさせられる。

いつもの宮部作品はミステリばかり読んでいたので、ファンタジーは初めて。
『ドリームバスター』も気になってきちゃうじゃないか。
過酷な描写もあれど、やさしさやあったかさがあとに残るのはさすがです。

はぁ~、面白かった~、満足。

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松久淳+田中渉『四月ばーか』(講談社)

4062750317四月ばーか
松久 淳 田中 渉

講談社 2005-03
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3LDKの部屋にひとりで暮らす守山。 そこに、外国帰りの朋子、後輩で親友の今野が越してくる。 三人で過ごす時間は楽しくて、どこか拙くて…。

竹内結子さん主演で映画化もされた、『天国の本屋』のコンビによる本作。
たまたまちょっと前にこの『四月ばーか』が文庫で出たので、『天国の本屋』をすっ飛ばして、こちらを読むことに致しました☆
薄いのでさらっと読めて。
爽やかな、テレビドラマを観ているような感覚に襲われました。
終わり方も、ドラマみたいにシーンが浮かんじゃいまして。
何だろう、ある意味リアル、それが逆に、ツクリモノ…だなって(何か辛口?でも、批判では無く)。
ここに出てくる男の人、女の人はみんなスタイリッシュ(言い慣れない単語…笑)な雰囲気につつまれている気がします。
ドラマ化したらおしゃれなショートドラマになりそう。
挿絵が巻末に少し載っていて、それが物語に華を添えています。

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松岡圭祐『ミッキーマウスの憂鬱』(新潮社)

史上初ディズニーランド青春小説
              (帯より)

4104751014ミッキーマウスの憂鬱
松岡 圭祐

新潮社 2005-03-23
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21歳の後藤は「夢と魔法の王国」-ディズニーランドで準社員として働くことに なった。 さぞかし夢や希望にあふれた素晴らしい仕事だと思いきや、あくまで後藤の 職務は裏方に徹すること。 渋々「美装部」として、駆け回る後藤。 そんな初日、事件が起こる。 ショー用の「ミッキーマウス」が行方不明になってしまったのだ!
赤い表紙と可愛いタイトルにひかれて手に取ってしまううちはやはり ジャケット買いの女…。 「ディズニーランドの裏舞台<バックステージ>」を描いた作品って一体!? 松岡圭祐さんの名前は読んだことはないけれど、『催眠』や『千里眼』 ・・・を書いている方だな、という知識程度。 やので、これもちょっと怖いというかミステリタッチだったりするのかしら?? 思い過ごしでしたが。

正社員と準社員の間の一方的とも言える確執、準社員は出しゃばるな!という制圧。
ディズニーランドにおけるミッキーマウスの存在の大きさ。
普段は裏方で地味でこそあれ、正に「王国」を支える重労働を行っている準社員たちの
活躍が面白い。
どんどん後藤というアツイ青年にみんなが引っ張られていくのが。

とにかく。

ディズニーランドに行きたいです、すっごく。

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