伊坂幸太郎『魔王』(講談社)

考えろ考えろマクガイバー。

魔王 (講談社文庫)魔王 (講談社文庫)
伊坂 幸太郎

講談社 2008-09-12
売り上げランキング : 860

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


会社員の安藤は自分が念じたことを相手に喋らせることができる、“腹話術”の力があることに、気付く。
ちょうどその頃、世間では政治家、犬養が絶対的なカリスマ性を示していた。
犬養の行動に不安を感じた安藤は彼に近付くのだが…。


Continue reading "伊坂幸太郎『魔王』(講談社)"

| | Comments (2) | TrackBack (0)

市川拓司『世界中が雨だったら』(新潮社)

世界中が雨だったら (新潮文庫)世界中が雨だったら (新潮文庫)
市川 拓司

新潮社 2007-11
売り上げランキング : 189539

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

収録作品
琥珀の中に
世界中が雨だったら
循環不安


文庫裏のあらすじだけチェックして、購入。
いつもの“市川拓司”を想像して読むと…イタイ目を見ますよ。
いや、逆にいつものまんまで読む方が、裏切りとしてはパンチが効いているから、刺激を求めるなら、いつものまんまでGO。
私は穏やかな優しい気持ちになりたくて手に取ってしまったので…クラクラしちゃいました。


Continue reading "市川拓司『世界中が雨だったら』(新潮社)"

| | Comments (4) | TrackBack (0)

綾辻行人『水車館の殺人 新装改訂版』(講談社)

水車館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫 あ 52-19)水車館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫 あ 52-19)
綾辻 行人

講談社 2008-04-15
売り上げランキング : 148477

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

仮面の当主と彼の若き妻である美少女が住む、水車館。 そこで1年前に起きた、恐ろしい事件。 事件の当事者たちが1年ぶりに集い、また嵐の夜がやってくる…。


「館」シリーズ第一弾の『十角館の殺人』が面白かったので、続きも改訂版出ないかな~と期待していたら、おんなじように期待した読者が多かったようで、第二弾の本作も新装改訂版、綾辻さん曰く、”決定版”が刊行されました。

事件は、建築家、中村青司の建てた水車館にて起きる。
水車のある館、というだけでも、古めかしいというのに、プラス仮面をつけた車椅子の主、プラスその妻である美少女、プラス執事。
と、ちょいと現代離れした設定が並ぶ。
でも、けして内容は古めかしくなく、すっと入ってくる。

『十角館』は孤島と本土、ふたつの”場所”を舞台に物語が交錯していましたが、今回は過去と現在が入り混じってお話が進みます。


『十角館』に比べると、最後にドーン!とびっくりさせるタイプの謎ではないので、ゆるやかに、じわりとたどりつくミステリ。
謎の一部については、少し構えて読んでしまったためか、物語の最初の方で感づいてしまった。
ちゃんと伏線を散りばめてくれているおかげでしょう。
全部の謎は私には解けなかったけれど、謎解きに挑んでみるのも良いかもしれません。

このまま、3作目以降も改訂版出して欲しいな。
これを機会に全部揃えたい。

↓以前に刊行された文庫本はこちら。

水車館の殺人 (講談社文庫)水車館の殺人 (講談社文庫)
綾辻 行人

講談社 1992-03
売り上げランキング : 81114

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


↓ノベルス版はこちら。

水車館の殺人 (講談社ノベルス)水車館の殺人 (講談社ノベルス)
綾辻 行人

講談社 1988-02
売り上げランキング : 490336

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | Comments (2) | TrackBack (0)

あさのあつこ『NO.6 ♯4』(講談社)

「悪いが、おれは死ぬ覚悟なんかこれっぽっちもしたくないね。生きているやつが勝ちさ。滅び去るのは、あちら。生き残るのは、おれたち。そうだろ?」

NO.6 #4 (4) (講談社文庫 あ 100-4)NO.6 #4 (4) (講談社文庫 あ 100-4)
あさの あつこ

講談社 2008-08-12
売り上げランキング : 13190

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


捕らえられた友人の沙布(さふ)を救うため、矯正施設へ潜り込む準備を始める紫苑とネズミ。
時同じくして、軍による「人狩り」が行われようとしていた。


あさのあつこさんによる、”生と死の物語”、文庫版4巻目。
文庫版読者としては、次の巻が出るのが待ち遠しくてたまらない。
紫苑とネズミはどうなるの?
と、今回も読み終えた途端、先が気になってしまいました。

紫苑、あんた、何者なんだ?
紫苑の中に、今まで全く見えていなかった一面のかけらに気付いてしまうネズミ。
この見えかけている一面が、今後の展開に大きく作用するのではないかとどきどきです。


↓単行本版はこちら。

No.6 (#4) (YA!ENTERTAINMENT)No.6 (#4) (YA!ENTERTAINMENT)
影山 徹 北村 崇

講談社 2005-08-23
売り上げランキング : 141941

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | Comments (0) | TrackBack (0)

飯田譲治、梓河人 『盗作 上・下』(講談社)

なんでわたしなんかにあの絵が描けたのだろう?
でも、あの時は本物だった。
わたしだけにあの創作の嵐はやってきた。
まぎれもなくわたしの手が動き、細胞の全部が反応したのだ。
一枚の絵に向かって。


盗作 上 (1) (講談社文庫 い 103-11)盗作 上 (1) (講談社文庫 い 103-11)
飯田 譲治

講談社 2008-04-15
売り上げランキング : 226341

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

盗作 下 (3) (講談社文庫 い 103-12)盗作 下 (3) (講談社文庫 い 103-12)
飯田 譲治

講談社 2008-04-15
売り上げランキング : 228077

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


田舎町に暮らす平凡な女子高生の彩子は、ある晩不思議な夢を見る。
何かに突き動かされるように夢の光景をキャンバスに書き上げた彼女。
見る者すべてを魅了してしまうその絵は、やがて日本中に知れわたる。
しかし、まったく同じ作品がすでに存在していたことが明らかになり・・・・・・。
(文庫裏表紙あらすじより)


単行本が発売された時に、赤と青のはっきりした表紙が先ず目をひいたことが印象深いです。
飯田譲治さんと梓河人さんの共著、と言うと、『アナザヘヴン』が有名ですね。
個人的に、『アナザヘブン』は苦手分野の内容かな…と手を出したことがないのですけれど、この『盗作』は文庫になったら読んでみたいな、と楽しみにしていた作品でした。


自他共に認める”平凡”な少女、彩子はある日、不思議な夢を見て、起きてすぐに衝動に駆られて一枚の絵を描き上げてしまう。
見る人見る人がとんでもない感動を覚えてしまう。
本人はただその絵が大切なだけだったけれど、周囲のひとが放っておかず、どんどん大事になる。
でも、実はその絵は過去に世に出た作品であった…あまりにもそっくりな作品であったため、疑惑ではなく、ほぼ確定という”盗作”の烙印を押されてしまう彩子の絵。
ただ、頭に浮かんだものを描いただけであったのに-。
一気に寄ってきていた人々は同じくらい急激に離れていきます、勿論、離れずに彼女を支える人々の姿もそこにはありました。
幼なじみの友太郎、少年らしい少年、いいヤツ。
彩子を見守る読者としては根拠はなくとも彩子を信じる彼の姿に、救われました。
しかし、一転して、どん底に落ちてしまった彩子は誰も自分と絵のことを知るひとがいない都会へと移るが、そこでもまた”あの夢”がやってきて…。

アイディアが浮かぶ瞬間って、こういう感じなのだろうか。
創作に縁がない私にはイメージすることしかできないけれど。
”創造”とは、”芸術”とは何であるのか-?
すごく、不思議な感覚を味わえる小説だと思いました。
そして、上記のことを含んだ上で、喜怒哀楽ある物語。
上下巻通して紡がれる彩子の一生を、見届けてください。


↓単行本はこちら。

盗作(上)盗作(上)
飯田 譲治

講談社 2006-01-28
売り上げランキング : 295086

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

盗作(下)盗作(下)
飯田 譲治

講談社 2006-01-28
売り上げランキング : 293386

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | Comments (2) | TrackBack (0)

綾辻行人『十角館の殺人 新装改訂版』(講談社)

十角館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫 あ 52-14)十角館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫 あ 52-14)
綾辻 行人

講談社 2007-10
売り上げランキング : 14792

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


孤島・角島を訪れた推理小説(ミステリ)研究会の大学生7人。
半年前に焼死した建築家・中村青司が建てた十角形の奇妙な館の中で過ごす彼ら、やがて始まる連続殺人。
生き残るのは誰なのか?
著者代表作、新装改訂版。


私の人生2度目(コミック『月館の殺人』を含むと3度目)の綾辻作品。
以前より、”館シリーズ”に興味はありつつも、シリーズモノに手を出すことをためらっていました。
そんな中出版された新装改訂版。
いつか読んでみたい作品であり、「本書をもって『十角館の殺人』の決定版とするつもりでいる」と綾辻さんがおっしゃられていることから、ついに読んでしまいました。

ミス研メンバー7人はそれぞれ、有名なミステリ作家の名前で呼び合っている。
海外作家の方に疎い私でも分かる名前ばかりがずらりと並ぶ。
外部と連絡が取れず、逃れる道もない状態で起こる、凄惨な事件。
そして、本土でも不可思議なことが起こっていて…。
角島と本土、それぞれが事件に追い詰められたり、追いかけたり。
両方を振り回す犯人の正体。

犯人は誰??
7人のメンバーがそれぞれを疑い、その闇が深くなっていく緊迫した空気。
自分以外、信じられない。
読んでいる私も一緒になって、全ての人を疑ってみたりしていたのですが、分からなくなるばかり。


“たった1行”が世界を変える

帯にある通りのことが起きます。
いつの間にか物語の登場人物になったかのように疑心暗鬼にとらわれていたら…息を呑みました。
前のページに戻ったりして、色々と確認したり。
怖っ。


他の作品も改訂版が出たりするのかなぁ…次の巻、読みたいっ。


↓以前に刊行された文庫本はこちら。

十角館の殺人 (講談社文庫)十角館の殺人 (講談社文庫)
綾辻 行人

講談社 1991-09
売り上げランキング : 17347

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

↓ノベルスはこちら。

十角館の殺人 (講談社ノベルス)十角館の殺人 (講談社ノベルス)
綾辻 行人

講談社 1987-09
売り上げランキング : 178930

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | Comments (2) | TrackBack (1)

日日日『ピーターパン・エンドロール』(新風舎)

すべてのウェンディは大人になってしまう

ピーターパン・エンドロールピーターパン・エンドロール
日日日 中村 佑介

新風舎 2006-09-05
売り上げランキング : 12239

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


新学期を迎えた御前江真央(おまえのえ・まお)は心身ともに異変を感じていた。
クラスメイトの顔も分からない、自分がここにいる理由が分からない、お腹には何か居る気がする…。
そんな中、不思議な少女と出会い、彼女を”旅人さん”と呼ぶことにするのだが…。


最初から最後まで不思議な感覚で進んでいく物語。
真央の視点でお話は展開するのですが、彼女は”クラスメイトの顔も分からない”など、色んなことが何故か”分からない”ということで、世界は明瞭なものとして描かれていません。
真央と一緒にもやもやした中にいる感覚、少し酔いそうになる。

青春ものかと思いきや、ホラーのような一面もあって、少し怖くもなったり。

”旅人さん”は真央にとって、絶対的な存在であるのだけれど、特別に分かりやすい何かを持っているわけではないんですよね。
”旅人さん”にまつわるエピソードには切なくなるものがありました。

初めて日日日(あきら)さんというライトノベルの世界で評価されている作家さんの本を読みました。
独特だなーと。
ライトノベルをなめていたわけではないけれど、哲学的なものすらちょっと感じてしまいました。
ピーターパンにきっと永遠に憧れる私にとって、この作品はアイタタタなものではありましたが、”すべてのウェンディは大人になってしまう”という帯文はしっくりきた。
この本の中でも、”ウェンディ”が成長していきます。
大人になるって、ただ時を過ごすということではないんだな。

あるあるー!っていう設定ではないけれど、超、現実的。
そう感じたお話でした。

表紙のイラストも、素敵です。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

池永陽『そして君の声が響く』(集英社)

そして君の声が響く (集英社文庫 (い50-4))そして君の声が響く (集英社文庫 (い50-4))
池永 陽

集英社 2007-08
売り上げランキング : 172610

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


不登校の子どもたちが通うフリースクール”エチュード”にてボランティアを始める大学生の翔太。
そこで出会った美しい少女・美咲に惹かれ始める翔太。
彼女には何か大きな心の傷があることにも気づき始めていた。
ある日、彼女が屋上から飛び降りようとする現場に居合わせ…。
文庫書き下ろし。

初めて読む、池永陽さん。
読んだことがない作家さんの本にしようと思っていて、題名と表紙の凛とした雰囲気にひかれてのチョイス。

翔太は下手したらイライラしてしまいそうないいひとキャラ。
でも、”普通の人とはちょっと違う”人格を無理なく描いているので、特に反発もなく読むことができました。
それぞれ傷を負ったり、学校に行けなくなった子どもたちが彼のようなひとを慕うのも分かる気がします。
就職活動のポイント稼ぎにボランティア活動…確かに、4回生になって急に入部するひと、増加したりしていました、ボランティアサークル。
果たして、本当に有利なの???
私も少し福祉関係の職業を考えている時期があったので、翔太がフリースクールの経営者に福祉施設への就職を勧められて、悩むところは共感できるものがありました。

美咲の心の傷、彼女の言う通り、完全に理解することは私にもできないだろう。
それを受け止めた上で、ただただ、彼女に真っ直ぐにひたむきに向かっていく翔太。
打算なんて、そこにはない。
彼のその姿に美咲の心が解けていく過程、ラストに注目。

”エチュード”の生徒たちが個性的で良かった。
だからこそ、”普通”の翔太君がある意味、”変わって”見える。
数学の天才・未央や格闘技オタクの大軌…。
この子達のキャラクタを活かしたドタバタコメディもできそう…この本は全然コメディではなく、どちらかというと、シリアス、なのですが。

歌の才能がある美咲に対して執着を見せる、音楽業界関係者の蓮見だけがすこーし浮いた感覚はありました。
そんなことして、警察呼ばれるよ!?って。
ひとり悪役がババーンと出てきたのが唐突で。
でも、ラストまできて振り返ってこれはこれでOKかなと思う。

”青春小説”とありましたが、若干青春というほど青い感じはしなかった、かな。
読み心地は悪くなく、爽やかな感動ができる作品ではないでしょうか。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

あさのあつこ『NO.6(#3)』(講談社)

NO.6 [ナンバーシックス] ♯3 (講談社文庫)NO.6 [ナンバーシックス] ♯3 (講談社文庫)
あさの あつこ

講談社 2007-08-11
売り上げランキング : 5627

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


『バッテリー』を読まないまま、『NO.6』だけ新刊が出たらすぐに読む。
…そろそろ『バッテリー』も読まなきゃなぁ…手もとにそろえてはいるんだし。
『NO.6』はまだ単行本も完結していないので、文庫で全部、すぐにはそろわない。
そろそろ、いよいよ、『バッテリー』を読みます!
…今年中には着手したいと(笑)

| | Comments (3) | TrackBack (2)

赤川次郎『神隠し三人娘 怪異名所巡り』(集英社)

神隠し三人娘―怪異名所巡り (集英社文庫)神隠し三人娘―怪異名所巡り (集英社文庫)
赤川 次郎

集英社 2005-04
売り上げランキング : 10651

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

大手観光バス会社をリストラされた町田藍は超弱小”すずめバス”に再就職。 初仕事は何と幽霊を観に行く”怪奇ツアー”。 霊感体質の藍はやはり、霊に遭遇してしまう。 5つのツアーが綴られた、霊感バスガイドシリーズの第一作目。


(赤川)次郎さんが読みたい衝動がやってきた。
まだ三毛猫シリーズが制覇できていないけれど、バスガイドのシリーズに手を出す私。
イラストが大好きな南Q太さんなので、気になっていたのです。
菊川怜さん主演でドラマ化もされていた本作。
”霊”、という部分で怖くて、ドラマは観なかった。
幽霊が出てくるものの、怖いだけでなく、ユーモラスなところがさすが次郎さんだなと思う。

主人公の町田藍は「私は霊が見えます!」と自分から進んで霊感をアピールしているわけではなく、最初のツアーで遭遇したことをきっかけに毎度周りに強制的に”霊”関係を押し付けられている。
極めて、一般的な、常識人である。
そのひとり、テンションが高すぎず、低すぎないところがいい。
主人公が一番、”霊感がある”という部分を除くと、平凡でもある。
でも、特に”霊”に対して怯えて震える、ということもなく、生きている人間に対するふるまいと変わらず接することができるあたりは主人公らしく、カッコイイ。

解説で細谷正充さんが述べられていたように、作者のメッセージがひそんでいる部分には私も考えさせられてしまいました。
読みやすく、親しみが持てる赤川次郎作品。
でも、時折、きらりと鋭い部分も。

とりあえず、文庫で2巻が出ているのでそちらも読みます☆

| | Comments (0) | TrackBack (0)

伊坂幸太郎『グラスホッパー』(角川書店)

「おまえは、ずっと前から自由だろうが」

グラスホッパーグラスホッパー
伊坂 幸太郎

角川書店 2007-06
売り上げランキング : 856

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


妻の仇を討つために、”令嬢”と呼ばれる会社に潜り込んだ元教師の鈴木。
しかし、敵が目の前で車に轢かれてしまう。
どうやら”押し屋”という殺し屋の仕業らしい。
正体を探るべく、追いかけた先にいたのは槿(あさがお)と名乗る男であった。
一方、それぞれの理由で”押し屋”を追い求める自殺屋台・鯨、ナイフ使い・蝉。
彼らの思惑の行方は?


久々に読む伊坂さんの小説にテンションが上がりました。
宮部みゆきさんの小説にも同じことを思うのだけれど、”悪”、”辛いこと”、”重く、暗いこと”を美化し過ぎたり、避けていないところが魅力的だと思います。
勿論、それだけを描いているわけではないから私は好きなのですが。

今回の作品は分類不能の「殺し屋」小説!と裏表紙のあらすじに述べられているように、殺し屋たちが属する”業界”に起きた騒動をきっかけに動き出す物語です。
鈴木は至って、”普通”の思考を持つ、どこにでもいそうな一般人。
”令嬢”の人間に妻を殺されたりしなければ、きっと、表の世界でずっと生きていったであろう人物です。
作品は鈴木、蝉、鯨の三人の視点で交互に語られ、時系列に進みます。
三つの視点であり、尚且つキャラクタが多い割には軸がぶれず、スムーズに読み進めることができました。
どしんと構えた鯨、お喋りの蝉。
名は体を表すといいますが、魅力的でした。
私は槿(あさがお)がお気に入りです。
めっちゃ理知的な雰囲気がカッコイイ!

そして、亡き鈴木の妻もとても素敵な女性です。
「やるしかないじゃない」
なんて、シンプル。

冒頭に書いた台詞は蝉の雇い主の岩西のもの。
不覚にも、少しホロリときた部分です。
岩西に操られているような気がして、ずっと束縛感、不自由さを感じていた蝉。
でも、「岩西は、おまえ(蝉)に期待していた」
人間味を感じるひとつの部分でした。

殺し屋、というものを肯定するわけではなく、物語として、この”殺し屋小説”は面白く読むことができました。
ラスト、ちょっとだけ私はもやっとしてしまいました。
うー><
面白かったですが。

| | Comments (2) | TrackBack (1)

恩田陸『Q&A』(幻冬舎)

Q&AQ&A
恩田 陸

幻冬舎 2007-04
売り上げランキング : 2887

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


大型商業施設において、死者69名、負傷者116名の大惨事が起きた。
しかし、原因は未だ不明。
事故?それとも事件??
物語は事件関係者たちのQ&Aだけで進行していく…。


Q&A、質問と答え、というよりは対話形式で進んでいく、小説。
質問をする側の人間と答える側の人間。
質問をする側の人間は素性に関しては、かなり曖昧。
あくまで、事件そのものの原因に関して追っていくための物語ではありません。
その事件を通して、浮かび上がる人間の奥の奥の闇が見えてくるような感じです。

パニック事態が起きると、人は「死にたくない」、「助かりたい」、この二つしか頭になくなってしまうのかもしれません。
自分の前にいる人たちを押しのけ、踏みつけてでも、それが幼児や高齢者であっても、関係ない。
パニック映画でも、そのような状況を描いているのをしばしば観ますが、ゾッとしてしまう。
実は冷静に、全員助かることができる状態であったかもしれないのに、パニックに陥った人々は目の前の光しか見えなくなってしまうのだ。
きっと、なってみないと、分からないことだろう。

原因も、明らかにはされないお話なので、色んな意味でスッキリはできないでしょう。
対話だけで物語を進めていく筆力、リアルな事件背景にはさすが、と言わざるを得ないかと。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

あさのあつこ『NO.6(#1、#2)』(講談社)

NO.6♯1NO.6♯1
あさの あつこ

講談社 2006-10-14
売り上げランキング : 30247

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


NO.6  〔ナンバーシックス〕  ♯2 (講談社文庫 (あ100-2))NO.6 〔ナンバーシックス〕 ♯2 (講談社文庫 (あ100-2))
あさの あつこ

講談社 2007-02-10
売り上げランキング : 12376

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2013年の未来都市NO.6-人類にとっての理想都市とされている。 2歳の時からエリートとして、好待遇を受け、その都市で暮らしていた紫苑は12歳の誕生日に”ネズミ”と名乗る少年に出会う。 そして、運命が急転回する…。


映画化で更に話題の『バッテリー』(4月に文庫6巻が出ます)をさしおいて、『NO.6』に手を出してしまいました。
YA!ENTERTAINMENTシリーズから5巻まで出版されておりますが、文庫はまだ2巻までしか出ていません。
2冊まとめて読んじゃいました。

あさのあつこさん、私の知り合いの書店員の知り合いも『バッテリー』を絶賛。
えー、どんなん、どんなん???
わくわくして、購入だけさっさとしたものの、まだ読んでいません…^^;
先に、『NO.6』…☆

エリートとして育てられていた紫苑がワケありの”ネズミ”を助けたことから、その道を外れることになる。
そして、徐々にNO.6の謎が解き明かされていく。

紫苑にしても、ネズミにしても、大人びてるなぁ、と溜め息。
かと思えば、妙に子供っぽい雰囲気が出てきたり。
子供にそういった面がいくつかあるのは自然で、リアルなことだと受け止めるべきなのかもしれないけれど、何だか”矛盾”みたいなものを物語を読んでいて、感じてしまいました。
クセのある少年たちが出てくるところが、ヤングアダルト作品という印象。

でも、物語としては面白いです。
NO.6という都市が一体どんなところなのか…主人公の紫苑と一緒に少しずつ近付いて、緊張しながら読み進めていきました。
突然起きた謎の事件の行方も気になります。
悪の組織VS少年たち??

何やら過去を持つ、NO.6の外で生きてきたネズミと、NO.6の中で生きてきた紫苑。
内と外で全く違う、環境、生活。
性格も全く違うふたりがひかれ合う。
これから先に、ふたりが道を分かつ日がくるのか??
3巻、読みたい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

飯田雪子『夏空に、きみと見た夢』(ヴィレッジブックス)

やがて虹は薄れ、月はいつもの光に戻る。
けれどこの気持ちは、永遠に続く気がした。目裏に灼きついた月虹の記憶も。
永遠など、信じたことはなかったのに。


夏空に、きみと見た夢夏空に、きみと見た夢
飯田 雪子

ヴィレッジブックス 2006-09
売り上げランキング : 279965

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


美人でスタイル抜群、と自他ともに認めるイマドキの女子高生・悠里。
ある日の放課後、他校の見知らぬ男子から「葬式に出て欲しい」と頼まれる。
亡くなった広瀬天也という男子が悠里に片思いしていたと言う。
渋々全く覚えの無い天也の葬儀に参列して以来、悠里の周りで不可思議なことが起こり始める…。

文庫としてはヴィレッジブックスはそんなにメジャーな方ではないかもしれません。
”新しい声を持つ作家を世界中から発掘”とHPに書いてあるように、目新しい作家さんをどちらかというと取り上げていきたい志向なのかも??
メジャーではないけれど、若い女性を中心に人気があることはあるのですが。
表紙の雰囲気とあらすじにちょいと惹かれて手に取ってみた、キュン!とできるんでは!?なんて期待して。
でも、時折”生死を扱うのは反則だ!”なんて囁かれますが、ぽっぽもそれは懸念しておりました。
お涙チョーダイものが読みたいわけじゃあないの!です。

結果として、しっかりキュン!とさせて頂きました。
衝動買いとしては、成功。
設定も、押し付けがましくなく、淡い恋心が清清しかった。
夏-7月の設定ですので、その時期に読む方が良かったかもですね。
イマドキ、だからか、生き方がまだ上手ではない悠里と、とにもかくにもピュアな天也。
片方が死んでからだけれど、出会うことができた二人。
でも、ずっと一緒にはいることができない二人…。
恋愛面と悠里の家における事柄との関連付けも無理がなくていい。
色んな意味で素直な気持ちになれる、純愛小説です。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

石持浅海『月の扉』(光文社)

月の扉月の扉
石持 浅海

光文社 2006-04-12
売り上げランキング : 157926

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


琉球航空の機内にてハイジャック事件が発生した。
犯人の要求は警察に留置されている”師匠”を連れてくること。
しかし、警察からの回答を待つ緊迫した機内のトイレで乗客がひとり死体となって発見され…。

『扉は閉ざされたまま』が『このミス』(『このミステリーがすごい!2006年版』)2位に選ばれた石持浅海さん。
『扉は~』はなかなかよく売れました。
その後、文庫本を展開させて頂きましたが、それもなかなか好調でした。
展開した文庫というのがこの『月の扉』、そして、光文社文庫1作目の『アイルランドの薔薇』
自らのアイディアで展開したわけではなかったので、たくさん並べながら「面白いのかなぁ…読みたーい」とうずうずしておりました。
そして、ようやく読むことができました。

私はけっこう楽しく読みました。
楽しむコツは”とにかく読み進むんだ!”ということです(笑)。
このお話は基本的に狭い空間で展開していきます(ハイジャックですので…)。
そこに、ちょっとファンタジックな要素が加わるのですが、それが少し強引な設定。
もうひとつ、納得し切れない…。
提示された設定を多少「ん?」と感じても飲み込んでいかないと、もうひとつ楽しめないかと思われます。
やたら細かいなぁと感心するところもあれば、そんな強引なところもあったりして。

ハイジャックを試みる3人の男女、そして、カリスマ性のある”師匠”。
突然、起こった予想外の事件-死体の登場。
その事件を解くべく選ばれた男性客-彼のキャラクターは面白かったな。

ミステリーでもファンタジーでもないようにも感じますが、ラスト、ホロリとしてしまいました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

赤川次郎『夜に向って撃て』(角川書店)

夜に向って撃て―MとN探偵局夜に向って撃て―MとN探偵局
赤川 次郎

角川書店 1999-10
売り上げランキング : 161835

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


『悪魔を追い詰めろ!』のMとN探偵局第二弾。
前回同様二編が収録。
表題作は紀子が学校の課題のために見学していたコンピューター会社での拳銃にまつわる事件を描いたもの。
相変わらずのでこぼこコンビが大活躍。
第一弾がお気に召した方ならきっと楽しめちゃいます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

歌野晶午『長い家の殺人』(講談社)

長い家の殺人長い家の殺人
歌野 晶午

講談社 1992-03
売り上げランキング : 582832

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

歌野晶午さん、初読みー!

学生バンド”メイプル・リーフ”の合宿中に起きた殺人事件…完璧なる密室、そして、当事者たちのアリバイ。
デビュー作。

気になっていた作家さんのひとりであったので、わくわくしながら読み進めてゆきました。
文章は読み難くなく、トリックが稚拙だなんてことは勿論ないです。
ただ登場人物たちの描き方が私の好みとは少し違うかな。
感情移入しきれない。
ひとつだけ読んだだけではその作家さんの面白さはつかめないんではないかと考えているので、また読んでみたいと思います。

最後の「薦」にて島田荘司さんが著者について語られているのですが、「そんなことがあったんや!」と面白かった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

赤川次郎『悪魔を追い詰めろ!』(角川書店)

悪魔を追い詰めろ!―MとN探偵局悪魔を追い詰めろ!―MとN探偵局
赤川 次郎

角川書店 1999-01
売り上げランキング : 161500

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

赤川次郎さんの本は肩の力を抜いて、リラックスして読むことができて、好きです。
「物足りない」なんて言うひともいるだろうけれど、私は小学生からでも読めちゃいそうなこの作風がお気に入り。
”三毛猫ホームズ”シリーズは亀の歩みで読み続けています。
まだまだ制覇まで程遠いけれど。
他の本を読んでいる合間合間に読んで、わくわくさせて頂いているのです。

今回購入したものは”M&N探偵局”シリーズ。
間近紀子(M)と野田重人(N)のでこぼこコンビによるもの。
どうでこぼこかっていうと、紀子は女子高生、野田はやくざまがいの実業家。
ふとしたことから紀子のボーイフレンド、哲郎が殺人事件の容疑者にされてしまい、哲郎の上司であった野田に紀子は協力を求めるのだけれど…という出会い。
このコンビによる2つの事件が描かれています。

赤川さんの作品には快活な女の子がよく登場する。
同姓として、読み手として、スカッとする感じの子が。
読み心地の良い、赤川作品。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

奥田英朗『イン・ザ・プール』(文藝春秋)

イン・ザ・プールイン・ザ・プール
奥田 英朗

文藝春秋 2006-03-10
売り上げランキング : 4939

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


精神科医・伊良部一郎、看護婦のマユミの待つ地下の診察室を訪れる患者たち。
ある人はプール依存症、ある人は陰茎強直症、またある人は…。
患者さんが個性的、しかし、治療するお医者さんの方がもっと個性的。
伊良部は注射フェチでマザコンでナルシスト!

読み終えて思ったことは「奥田さんてば!」。
巷で人気の奥田英朗さんの代表作・『イン・ザ・プール』。
確かに、面白い。
「読んでる最中に笑ってしまう」と実際に知人から話を聞いたし、そういううわさも聞いていた。
私はさすがに読んでいて笑うことはないんだけれど(集中力が無い人間だからか)読み終わった後、「ほーう!奥田さんって上手!」と偉そうな感動の仕方をしておりました(笑)
ただのお馬鹿なお話になっていないところが良い。
変なオジサンかと思いきや天性の精神科医なんじゃ?と思わせる伊良部のキャラクターは最高!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

岡嶋二人『99%の誘拐』(講談社)

99%の誘拐99%の誘拐
岡嶋 二人

講談社 2004-06
売り上げランキング : 128749
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

『この文庫がすごい!』2005年ミステリー&エンターテインメント部門第一位のこの作品。
講談社さんの文庫本の中でも現在も引き続き売れているようです。

先ず、井上夢人さんという作家さんをご存知でしょうか。
岡嶋二人、という作家さんは井上夢人さんと徳山諄一さん、まさしく”二人”による合作であります(”であります”って、私も初めて知りました、ごめんなさい・苦笑)。
もう既にコンビは解消しているようです(詳しくは『おかしな二人』参照とのこと)。
まだまだ知らないことばっかりです、作家さんについて。


末期ガンに侵され、生涯を終えた男の手記。
そこには8年前息子の慎吾を誘拐されたことに関して大学ノート3冊に記述されていた。
さらに12年後、ひとつの誘拐事件が起きた。
それは20年前の事件を彷彿とさせるものであった…。


『誘拐の果実』の解説において新保博久さんが岡嶋二人について、「人さらいの岡嶋」の異名を持つと述べられているのを読み(この異名だけ聞いたら犯罪者のよう…)、どれほどの作品なのか興味津々やったのですが、本当に”よくできている”のではないかなと思います。
コンピュータなどの機材を巧みに利用し、”完全に”(現実的かどうかという意味ではなく、物語的に)組み立てられた犯罪。
作品全体に知的な空気があります。

ひとつの誘拐事件が一組の父子に与えた影響ははかりきれないものであったことが全編を通して描かれています。
最初から最後までずばっと読んで頂きたいです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

綾辻行人『殺人方程式 -切断された死体の問題』(講談社)

殺人方程式 〈切断された死体の問題〉殺人方程式 〈切断された死体の問題〉
綾辻 行人

講談社 2005-02-10
売り上げランキング : 89,498

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ふたりのキョウ-刑事の叶(通称・カナウ)と自由人の響(ヒビク)。
ある宗教団体の教主が頭部と左腕を切断された姿で発見された。
事件を解決すべく奔走するカナウと乗り出してくる変わり者?のヒビク。
何故死体は切断されたのか?真犯人は誰なのか?


え~、初めて綾辻さんを読みました!!(ほんとは辻の字はも一個点が多い)
綾辻さんといえば、”館シリーズ”ですね!と、さすがにそれくらいの知識はあれど、それだけの知識しかなく…あと、小野不由美さん(『東亰異聞』…スッキリした怖さのある、面白い作品)が奥さまということだけ。

この本を読んで、こういう作品を書く作家さんなのだなとかけらだけは知ることができました。
読みやすく、本格的で、けしてチープでない感じが好印象。
ただ、もう一押し欲しかったかなと、私の好みだけの話ですけれども。
犯人の動機が物語の最初の方からちらりと見えているところがあるので、意外性がもひとつ乏しい。
”館シリーズ”も気になるけれど、シリーズものはちゃんと全部読みたいなと思ってしまうので、手を出すのを躊躇っています。
先に森博嗣さんのシリーズ未読を読んじゃおうっと。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

石田衣良『スローグッドバイ』(集英社)

スローグッドバイスローグッドバイ
石田 衣良

集英社 2005-05-20
売り上げランキング : 7,862

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


短編集。
どこにでもいそうな男女の恋愛が10編。
『フリフリ』(恋人同士の振りを始める話)と『ローマンホリデイ』(「”ローマの休日”をしませんか」という女性に出会う話)が私はすき。

石田さんの文章は爽やかだなぁ、と思う。
そして、少しキザだなとも思う(笑)
恋人同士を「ステディ」ってあんまり…世間では日常用語だったりするんでしょうか???

「うーん」と思ったのは前半の流れがどうも同じ感じを受けてしまって。
結局セックス??って。
後半になるにつれて、私はけっこう楽しく読むことができました。
ちょっと口元が緩むような甘い、お話で。

さらっと読むことのできる本(短編ということもあり)なので、読み応えを求めるひとには少し物足りないかもしれません。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

赤川次郎『あなたも殺人犯になれる!』(角川書店)

読書に行き詰る(?)と次郎さんに逃げてしまう私。
今回は「書店員なんだから”ハルキ”は読んどかないと!」とついに村上春樹さんを読もうとしていたのですが、まだ上下巻ある文庫の上巻40Pほどしか読めておらず。
じっくり読もう…と、いったん中断。そして、次郎さんへ。


あなたも殺人犯になれる!あなたも殺人犯になれる!
赤川 次郎

角川書店 2005-12
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


漫画家志望の聡美はプロの漫画家に指導を仰げるという10万円の合宿に参加することに。
ほぼ同じ頃、殺人犯・山名が連行される途中で刑事・警官を殺害し、聡美たちの合宿所付近で逃走。
殺人犯の魔の手から見事逃げ、無事合宿を終えることができるのか??

漫画家志望の主人公っていう設定はなかなか面白いです。
赤川さんのお話はどこか憎めなくて、好きです。
小中学生も読んでます、っていうのがよく分かる。
良い意味で”小難しくない”。
さすがに犯人”山名”はけして愛すべきキャラというわけではなかったですが。
”三毛猫シリーズ”をもっと読み進めたいなぁ。


↓単行本(ノベルス版かな?)はこちら。

あなたも殺人犯になれる! (カドカワ・エンタテインメント)あなたも殺人犯になれる! (カドカワ・エンタテインメント)
赤川 次郎

角川書店 2000-01
売り上げランキング : 859396

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | Comments (0) | TrackBack (0)

大石英司『神はサイコロを振らない』(中央公論新社)

ドラマに夢中。

神はサイコロを振らない神はサイコロを振らない
大石 英司

中央公論新社 2005-12
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

10年前に事故に遭ったとばかり思われていた飛行機がある日還ってきた。
乗っていた乗客はみんな10年前の姿のまま。
戸惑う乗客、そして、家族や友人、恋人・・・。
そして、還ってきた人々は3日後再び10年前に消えてしまうと予告される。


大石英司さんの名前は知っていたのですが、イメージが全然違う。
読んだことはなかったので、イメージも何も、という感じではあるのですが、もっと猛々しいお話を
書く方だとばかり。
この作品の単行本が出た時も「あ、装丁が好み。あらすじ見てみてもけっこう好きかも…でも、また
衝動買い?ダメダメ」と断念しつつ、「大石英司?このひとのお話って、しっとり系じゃあないんやろう
なぁ」なんて偏見丸出し。
ドラマが今季一番のお気に入りで、毎週ほろりとしながら観ているのですが、本も良い!
模倣犯は、映画がう~ん・・・で、原作を読んで、「こっちはおもろいやん」となったのですが、今回は
「うん、本もおもろい」と納得。
人物設定も基軸は同じで。
やっぱりドラマの方が劇的な脚色はされているかな、という感じもしますが。
とにかく、山本太郎がとってもカッコ良くて!(妹には「普段はカッコイイが、このドラマの役はナヨナヨ
している」と批判を受けました…とことん妹とは意見が合いません。ナヨナヨしているの、これ??)

10年前、私は中学生でした。
現在でもそんなにしっかりしきれていないような私なので、その頃はほんっとにぼけ~っとしていたなぁと
いう思い出なのですが、それでも、10年を私は過ごしてきました。
その間に、ちっちゃいなりに事件だったり、出会い、別れを経験してきました。
そして、得たもの、失ったもの、自分なりにあると思います。
10年前の自分に今の自分を誇れるかというと、そうでもないかもしれません。
「10年間大病もせず、元気に生きてるよ」ってことを報告できるくらい。
10年前の自分に「夢だった職には就けてる??」と聞かれると、「ちょっとずれたかも」と苦笑いしてしまうかも。
このドラマ、本を観ていると、10年間っていう重みとともに、一日一日の大切さもとても感じます。
「今、私は頑張っている?」「ちゃんと自分に正直?」なんて自問自答。
小林さん演じるヤス子じゃあないけれど、当たり障りなく生きているんじゃないかなと時々。
平凡な人生で全然いいんだけれど、無気力な人生はダメだ!
10年後、振り返って苦笑い、はないように日々励みたいものです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

乙一『GOTH-夜の章、僕の章』(角川書店)

夏に買って、漸く読むことになりました、乙一さんの本。
薄い二冊。どきどきしながら読みました。

GOTH 夜の章GOTH 夜の章
乙一

角川書店 2005-06-25
売り上げランキング : 1,880

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


GOTH 僕の章GOTH 僕の章
乙一

角川書店 2005-06-25
売り上げランキング : 1,357

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


主人公・”僕”と森野夜。
猟奇的な事件にふたりは惹かれ、興味を示す。
そして、事件の犯人へと近づいてゆく・・・。

えー、正直、エグかったり、グロかったりは、ダメです、もう、ダメダメ!
文章で読み、想像、気持ち悪くなり、マンガで読み、気持ち悪くなり。
猟奇的な事件の行為、結果自体にそうなってしまうというのもあるけれど、何よりも
その事件を起こす、”人間の心理”に一番影響を受けてしまいます。
この作品も、文章表現に、”えげつないこと極まりないほどの過剰表現”はなかった
ものの、そういった心理部分に的を絞っているように感じられたので、少しテンション下がり気味。
でも、あくまでも、そういった部分のみに焦点を置いているわけではないところが、
乙一作品の良いところだなと。
主要人物、そして、語り手である”僕”はあくまでも客観的に物事を見ていて、感情論で何かを見たりはしない。
つねに冷静。
乙一さんがあとがきで述べられているように、彼は”人間”として見てはいけないのかも?
と思うくらいに”人間”らしからぬ様子。
けれど、彼の周りの人々は違う。
そして、事件を起こす殺人犯たちすら、感情を所有しており、その感情-楽しい、苦しい、やるせない、様々ではあるが-ゆえに、罪を重ねてしまう。
ひととひととの繋がりなども書きつつ、たくさんの”罠”をしかけた本作品。
どんくさい私にはそれを見抜くことなどできようわけもなく、ぜーんぶひっかかってしまいました。
ので、ぜーんぶびっくりし、ほぉーと感嘆。
怖かったけれど、面白かった。以上。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

荻原浩『コールドゲーム』(新潮社)

突然の脅迫メール、脅迫文。
それに続いて同級生たちの身に起こる凶事。
犯人として浮かび上がってきたのは中学二年の時にイジメの標的とされていたトロ吉こと廣吉。
光也はイジメの主犯格でもあった亮平たちと共に”北中防衛隊”を結成するのだが・・・。

コールドゲームコールドゲーム
荻原 浩

新潮社 2005-10
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


『明日の記憶』で山本周五郎賞、本屋大賞第二位を受賞し、同作品が渡辺謙さん主演で映画化が決定。
注目度がぐんと高まっている作家さんのおひとりではないでしょうか。
・・・こっそり本屋大賞に参加していたにも関わらず、読む速度があんまりにも遅くて読みきれなかったうちが言うのもなんですけれども(苦笑)

さて、『コールドゲーム』。
”イジメ”に関する論議がかもされているお話ではありませんが、何だか身にくるお話です。
決して”イジメる側”に立ったことはないし、自分で考える限り、特に”イジメられる側”に立ったこともないと思います。
けれど、”イジメ”以外のことでも、人間、時として、何か物事を起こす中心にはいなくても、知らず知らずに加害者のひとりになっていることはあるのです。
自分では、「何もしていないから関係ない」と思っている人間の方がよっぽどそうなのかもしれません。
このお話の後半、復讐のために、元同級生に凶事を働く”廣吉”がとても恐ろしく、そして、非常にやるせなくなりました。
恨みを恨みで返すのは間違っている、でも、4年間の月日を”彼”はその為に重ねて生きてきたのです。
どういうカタチのラストが待ち受けているのか、どういうカタチの終結が”正解”なのか?
読み終わった後にようやく、一息。
この作品では、一人の少年の成長、あやふやだけれど、確かにそこにある未来について描かれています。
通して、思ったのが、うちのお父さんと同い年くらいの世代のひとの文章なのか!と思うくらいにオジサンくさくなかったこと。
やりすぎず、むちゃしすぎず、若者の姿が表現されているように感じました。
ちょっと久々に気になるーこの作家さん!


喫茶シャングリラのマスターはなかなか、美味しい役どころではないでしょうか☆

| | Comments (0) | TrackBack (0)

有吉 玉青『キャベツの新生活』(講談社)

「覚えておかなくちゃ。キャベツのこの腕の感じ、私の顔のはまり具合、暖かさ、香り、ぜんぶぜんぶ覚えておかなくちゃ」

406275200Xキャベツの新生活
有吉 玉青

講談社 2005-10
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

本を読むにあたってこんな注意はおかしいけれど。
一冊まるごと読むこと。
飛ばしたり、流したりしないで、きっちり一冊。
それがこの小説を愉しむために必要なこと。

最初に先ず、自分の住んでいるアパートがきれいになくなってしまった―という衝撃から物語は幕を開けます。
長い、これからもずっと続くかと思われた恋人との別離。
コンビニ店員の女性との出会い。彼女の恋愛。彼女との生活。
そして、ラストの大きな衝撃へとゆっくりと、でも、まっすぐに進んでいくのです。

自分の存在の証、他人の存在の証。
そういうのを明確に示すことは不可能なのかもしれない。
でも、確かに自分は存在しているし、”誰か”も確かに私の目の前にいる。
そういう当たり前のことに時々戸惑ったり、不安になったり。
決して激しい展開の物語ではないけれど、何かが”残る”本でした。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

原作:あさのあつこ、漫画:柚庭千景『バッテリー』(角川書店)

4049249995バッテリー (第1巻)
あさの あつこ 柚庭 千景

角川書店 2005-03-17
売り上げランキング : 33,951

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


原作本の文庫版がこちら↓

4043721013バッテリー
あさの あつこ

角川書店 2003-12
売り上げランキング : 2,894

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

もうすぐ4巻目が出ますね。


文庫本(現時点で発行済みは3巻まで)を購入しているものの、未だ読めず、先にコミックに手を出してしまったという・・・。
ので、”ストーリーの大まかな流れだけは把握しました”状態。
非常に大まかではあるのですが^^;

文庫は常時売れているし(勿論既に完結済みの教育画劇発行のハードカバーの方も)、知り合いの人間からもちょこちょこ評判があがっていたので、チェックはいれておきたい本ではありました。

主人公・巧は可愛くない、性格がっ。
野球の才能がずば抜けていて、そのためにすっごく自信家な子供に。
母親の実家に引っ越すことをきっかけにキャッチャーというパートナー・豪に出会います。
病弱な弟の青波は目がキラキラしています、コミック。
先に原作本のイラストを拝見しているので、画風の違いに戸惑い。
めちゃキラキラウルウルしていて、、青波だけ。
まぁ、1巻は色々とけっこう戸惑い気味やったのですが、2巻はちょっと盛り上がってきているような。
すぃっと読んでしまって。
3巻目が楽しみ。
ただ、まだ”うわっ”という感動には至っていない。
もっと”アツイ”感じを味わいたいんやけれどなぁ。
文庫本の方も読もう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

大崎善生『パイロットフィッシュ』(角川書店)

人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない。

4043740018パイロットフィッシュ
大崎 善生

角川書店 2004-03-25
売り上げランキング : 14,463

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

まず、鈴木成一さんの装丁がとてもきれいで目がひかれる本です。


主人公の山崎はエロ雑誌の編集者。
ある夜中、19年ぶりに大学生の時の恋人・由希子からの電話が鳴る。


「出会い」と「別れ」が人生において、いかに交錯しているかが描かれている作品であると思います。
そして、「出会い」にも「別れ」にも意味があるのだということを教えてくれる。


もっと読み終わったら落ち込んだりするかと想像していたので、妙に心がじんときてしまい、びっくり。
多少、自分の中で「えっ、あのひとはどうなったの、結局」と未消化といえば、未消化なところもありますが、それはそれで良しなのかなと・・・。
何か、目頭熱くなった。


大崎善生さんの本としては

4062737388将棋の子
大崎 善生

講談社 2003-05
売り上げランキング : 18,307

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

を以前に読んでいました。
『将棋の子』はノンフィクションやけれど。
プロの将棋指しを目指す少年たちの苦悩、挫折。
将棋のことを細かく知らないひとでも感じるものはあるんではないかと。

| | Comments (0) | TrackBack (2)

赤川次郎『三毛猫ホームズの狂死曲(ラプソディー)』(角川書店)

↓角川文庫版です。

4041497841三毛猫ホームズの狂死曲(ラプソデイー)
赤川 次郎

角川書店 1985-11
売り上げランキング : 306,931

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

血を見ると貧血を起こす、女性恐怖症の片山刑事と猫のホームズのコンビが解決する<三毛猫ホームズ>シリーズ第四作目。 「命が惜しかったら、演奏をミスするんだ」スタンウィッツ・ヴァイオリン・コンクール決勝への出場が決まったばかりの桜井マリにかかってきた電話を偶然、片山の妹・晴美が受けてしまうことから事件が始まる。 最終選考に挑む七人の男女は外部と一切連絡の取ることを禁じられ、課題曲に取り込むことに。 そこへ片山刑事はホームズといっしょに張り込むのだが…。


相変わらず、”しきっている”のは三毛猫のホームズ!
非常にスマートな猫さんです。
憎めない、おぼこい雰囲気の片山刑事に、しっかり者の晴美、彼女に恋をしている石津刑事。
この四人(三人と一匹?)が駆け回り、事件を解決へと導きます。

殺人事件に、血生臭い事件も起きる。
それでも、澱み切ったりは決してしない、それが赤川次郎さんのミステリ。
いつでも楽しめる、三毛猫ホームズ。
私が読んでいるのはまだまだ序の口ですので、ますます楽しみです。


↓光文社文庫版はこちら。

三毛猫ホームズの狂死曲(ラプソデイー) (光文社文庫)三毛猫ホームズの狂死曲(ラプソデイー) (光文社文庫)
赤川 次郎

光文社 1985-01
売り上げランキング : 473242

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | Comments (0) | TrackBack (0)

赤川次郎『三毛猫ホームズの怪談』(角川書店)

三毛猫ホームズの怪談
赤川 次郎

by G-Tools

久々にホームズ読みました☆

女性恐怖症、血を見ると貧血を起こす刑事・片山と猫のホームズのコンビが事件を
解決していく!

というのがこのシリーズの基軸なんだと思うのですが、今回は心なしかホームズが
あんまり全面的に活躍していなかったかも。。。少し残念。

あらすじ。
猫屋敷と呼ばれる石沢邸で女主人の常代と彼女の飼っていた猫たちが殺された。
事件は彼女と揉めていた元刑事の上野が自殺と思しき遺体で見付かったことにより、
一見解決かと思われるのだが…。

片山刑事の妹晴美と石津刑事の恋の行方も気になるところですが、やはりホームズ。
このシリーズを読んでいると、
「うちもこんなに賢くって素敵な猫とお近づきになりたい!」
と思わずにはいられない☆

赤川次郎さんのお話はミステリーといえど、良い意味で暗くない。
血なまぐさい事件も起きるし、そこには人間の憎悪だとか悲しみだとかも含まれている。
それでも、コメディ要素もたっぷりで、個性的な登場人物たちが物語にアクセントを加えて
いて、楽しめる小説だな、と思います。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

浅倉卓弥『四日間の奇蹟』(宝島社)

四日間の奇蹟
浅倉 卓弥
宝島社 2004-01


by G-Tools

あらすじとしては
天才ピアニストとして名を馳せていた敬輔はとある事件のためにピアノを弾くことができなくなってしまう。
また、その事件をきっかけに知的障害を持つ千織という少女と共に生活することになり、彼女にピアノを
教え込むことになる。
彼女にはピアノの才能があった。人見知りの激しい千織のリハビリのような意味合いを込めて、敬輔は
老人ホームのような福祉施設等を訪問し、ピアノの演奏会の場を設けていた。
そして、訪れた山奥の診療所にて、不思議な出来事が起こる・・・。

うちは先ず、「サヴァン症候群」という単語が出てきたことに、反応。
あ、こないだ『クビキリサイクル』に出てきた単語。
意外とうまく作品同士に何らかの接点というか共通項目は出てくるもんで、たまたま前に読んでいた本と
同じ単語が出てきたりします。
『クビキリ~』の時にいまひとつ理解しきれていなかったので、ここにて「ふむふむ」と学習。

ある種の知的障害者が、時として特定の分野に信じられない才能を発揮することがある。

千織にとって、それはピアノを弾くということ。
けっこう医学に関する説明が要所要所に入るので、少し説明くさくなってしまっているように思います。
期待過剰になっていた点もあり、泣けず・・・う~ん、ストーリー的にはうちのツボかとおもたのになぁ><

素直にすぅっと胸にしみてくる物語です。
誰かを想って、何かできるっていうことは時には残酷な意味を持つのかもしれないけれど、やはり
幸せなことなんだなって思いました。
この小説を読んでの感想ですけれど。

でも、映画、観に行きます、多分(80%くらい・笑)。
だって、吉岡秀隆さんが出ているしvv声がすきなんですvvv

公式サイト→http://4kiseki.biglobe.ne.jp/

予告編、ダイジェスト映像を観ると、かなりグッときてしまいました。
音楽もいい。平原綾香さんの歌、合っている!って感じたのですが、どうでしょう?
監督が『半落ち』(寺尾聰さん主演)の佐々部清公さんで、これまた期待。
映画を観るにしても小説を読むにしても、先入観や過剰の期待はだめだな~と思うのですが、無理です、
もう期待してしまっています><う~、楽しみっ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

恩田陸『夜のピクニック』(新潮社)

夜のピクニック
恩田 陸
新潮社 2004-07-31


by G-Tools

さりげな~く参加していた本の雑誌社主催の本屋大賞で見事一位を獲得した本作。
ちなみにぽっぽは市川拓司さんに投票するつもりでした・・・ハイ、「つもり」ということは
投票できていないのです。
一次投票募集の時点では参加できていたのですが、二次投票には参加
できなかったんです(T△T)
10作品も1ヶ月で読めない・・・ただでさえ、遅いのに~っ!
ぎりぎりまで読んでいたし、未だに読みきれていないノミネート作品(購入済み)
を読んでおります。
やっぱり行き帰りの電車と休みの日にちょろりとしか読まないのは無謀でした。
来年はリベンジ!
でも、4月5日に刊行された『本の雑誌 増刊号』には一時投票時での
コメント・感想も載っており
ぽっぽのコメントも載ってしまっておるのです><
全員のコメントを載せるやなんて、親切な出版社さん・・・vと同時に
「ご無体な~!(T△T)」(笑)

物語の語り手・西脇融は高校最後の行事として、「歩行祭」に参加。
「歩行祭」とは北高のイベントで、朝の8時~翌朝の8時まで夜通し歩くという何とも
とんでもない行事(恩田陸さん曰く、本当にあった行事らしい)。
合間合間に休憩をはさみ、夜中に数時間の仮眠を取れるものの、ずっと歩きっぱなし。
物語はこの行事が一冊に詰まっている。
さて、融には親友の忍にも話していない、ひとつの秘密があった。
同じく、もう1人の物語の語り手・甲田貴子にも秘密があって・・・。

物語はゆっくりゆっくり進みます。
でも、丸一日分がきっちり詰まっていて、まるでいっしょにこの行事に参加している
ような気になってしまいます。
正直、最初のあたりではあまりこの作品が「大賞」だと思うほどに面白いとは思えて
いませんでした^^;
どこで変換されたのか謎ですが、読み終わったら何かすごくすっきりした気分に。
融と貴子の関係に歯がゆくなっていたんでしょうか。
彼らの友人の忍や美和子、そして、遥かアメリカに住んでいる杏奈。
高校生の彼らが「現在」をとても大切に育んでいることを感じられて、爽やかな作品。

恩田陸さんの読みかけの作品が一冊我が家には眠っているので、これを機に再開
しようと思います><*

| | Comments (0) | TrackBack (0)

市川拓司『そのときは彼によろしく』(小学館)

強い力だ
それさえあれば、あの空の向こうにいる誰かとだって私たちは結びつくことができる

そのときは彼によろしく
市川 拓司
小学館 2004-03-31


by G-Tools

映画化でドン!と売れた『いま、会いにゆきます』の市川拓司さん、最新刊(勿論、発売からはだいぶ経っていますが)。
気になる気になる。
けっこうさらりと読めちゃいました。

智史、祐司(『いま、会い~』に出てくる祐司と同じ名前!)、花梨。
三人は幼なじみ。
彼らを取り囲む個性的な面々。
今回の市川作品は何だか脇役が気になります。
たとえば、智史のアクアショップに勤める夏目くん。
元エリートなのに、何故かいきなり小さいアクアショップの店員になっているという設定。
淡々としたキャラクターが何だか映画『ピンポン』のARATAとだぶってしまい、途中からARATAのイメージでかなり読み進めてしまいました…。
ARATA、カッコいい、改めて。
…話がそれました。

市川拓司さんの本は基本的に派手ではない。
でも、ファンタジー要素がけっこうある。
それでもなお、身近な感覚をそれ過ぎない。
生き、恋をし、誰か(それが他人であろうと家族であろうと)を、感じたことがあるひとならきっと見つけることのできる何かがお話のあちこちにこぼれ落ちている印象を受けます。
それゆえに、ほほえましくなり、思わず顔がにやけてしまったり、胸がきゅっとして、目頭が熱くなってしまったり、という風に感情移入ができるのだと思う。

「別れ」の意味、「出会い」の意味を感じさせてくれるお話を描く作家さんですね。

ふっと思っただけなんですが、時々、洋画を観ているような気にさせられる登場人物たちのしぐさが気になる!


↓文庫版はこちら。

そのときは彼によろしく (小学館文庫 い 6-1)そのときは彼によろしく (小学館文庫 い 6-1)
市川 拓司

小学館 2007-04-06
売り上げランキング : 5958

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | Comments (0) | TrackBack (0)

石田衣良『娼年』(集英社)

娼年 (集英社文庫)娼年 (集英社文庫)
石田 衣良

集英社 2004-05
売り上げランキング : 4140

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

初めて石田衣良さんの本読んじゃいました!

主人公は大学生、バーテンダーのアルバイトをしているリョウ、二十歳。 とある女性との出会いにより、娼夫としての仕事を始めことになる。

えげつない性描写、という感じは得られません。
でも、基本的に私は作中に出てくる<メグミ>という女の子と同じような考えを持っている人間であると思います。
単純に言うと、身体を売る=ダメ!といった固定観念。
買う人間がいるからそれはあるんだと思うし。
私には知りえない事情もあるかもしれないし。
誇りとやりがいを持って働かれている方もいると思うし。
そういう風に思っている自分も一部ではあるけれど、偏見のカタマリはなかなかおっきく存在してそうです、私の中に。
友達がリョウと同じ職業に就いたら、「へぇ~」とは返せないと思う。
いきいきとやっているようだったら応援?していきたいけど。
応援できてしまうのは愛情と友情の違いでしょうか。

読んでいて、どうしても無理!と思ったことは痛み=快感という部分について。
痛いのはどう転んでも痛みでしかないです。
読んでいる間、「ひぃえー!」と本を持つ指に力が(笑)

リョウの娼夫としてのお話、一部始終。
ラストが良い。
読後感が良い、というべきかな。
そう久々に思えた作品でした。


↓単行本。

娼年娼年
石田 衣良

集英社 2001-07
売り上げランキング : 239824

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

| | Comments (0) | TrackBack (0)

その他のカテゴリー

●読書記録(あ行の作家さん)● | ●読書記録(あ行・あさのあつこ)● | ●読書記録(あ行・赤川次郎)● | ●読書記録(か行の作家さん)● | ●読書記録(か行・北村薫)● | ●読書記録(か行・川上弘美)● | ●読書記録(か行・海堂尊)● | ●読書記録(さ行の作家さん)● | ●読書記録(た行の作家さん)● | ●読書記録(た行・辻村深月)● | ●読書記録(な行の作家さん)● | ●読書記録(は行の作家さん)● | ●読書記録(は行・東野圭吾)● | ●読書記録(ま行の作家さん)● | ●読書記録(ま行・宮部みゆき)● | ●読書記録(ま行・森博嗣)● | ●読書記録(や行の作家さん)● | ●読書記録(や行・山田悠介)● | ●読書記録(や行・横山秀夫)● | ●読書記録(アンソロジー)● | ●読書記録(コミック・あ行・宇仁田ゆみ)● | ●読書記録(コミック・あ~さ行の作家さん)● | ●読書記録(コミック・か行・鴨居まさね)● | ●読書記録(コミック・さ行・さくらももこ)● | ●読書記録(コミック・さ行・佐原ミズ)● | ●読書記録(コミック・た行・谷川史子)● | ●読書記録(コミック・た~は行の作家さん)● | ●読書記録(コミック・ま行・南Q太)● | ●読書記録(コミック・ま行・宮原るり)● | ●読書記録(コミック・ま~わ行の作家さん)● | ●読書記録(ノンフィクション、エッセイ・森下えみこ)● | ●読書記録(ノンフィクション、エッセイ)● | ●読書記録(歌人・枡野浩一)● | ●読書記録(海外文学)● | ●読書記録(画文家・大田垣晴子)● | ●読書記録(絵本・詩集)● | きょうのほんや | 日記・コラム・つぶやき | 映画鑑賞記録(アニメーション) | 映画鑑賞記録(洋画) | 映画鑑賞記録(邦画) | 柔道