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映画を観る→『ブタがいた教室』

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豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日
黒田 恭史

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6年2組を担任することになった新米教師の星(妻夫木聡)は、食べることを前提として子ブタを飼うことをクラスの生徒たちに提案する。
校長先生(原田美枝子)にも相談し、卒業までの1年間26人の生徒が子ブタの面倒を交代でみることになる。
最初は戸惑っていた子どもたちも、“Pちゃん”と名付けた子ブタを次第にかわいがるようになり……。(シネマトゥデイ)


正直、あらすじだけ聞いていた時は苦手な感じかなぁと公開前はチェックはしつつも鑑賞予定はたてず。
『松山くんも観た!』というニュースのプッシュで観に行っちゃいました。

もともと、大阪の小学校で実際にあった授業が題材。
クラスでブタを育てて、最終的に食べる。
食べ物に感謝する、生きてゆくことを考える。
名目だけ聞くと、真新しく、興味をひかれる授業。
でも、自分が育て、ずっと見守っていた一匹のブタを食べられるのか?
映画の中で子供たちは星先生の提案に驚き、コブタの登場で、テンションが上がり、すっかり可愛がる気持ち満々。
星先生も朗らかに見守る。
そして、コブタに名前をつけたいと言い始める子供たち。
名前をつけることにより、コブタに親愛を持ってしまうことを恐れ、「やめた方がいいんじゃないかなぁ…」と先生は言うも、名前は「Pちゃん」に決定。
その時点で子供たちにとって、コブタは“食べるためのお肉”ではなく、“愛すべき唯一のコブタ”となってしまいます。
子供たちに自由に、考えてもらうことがそもそもの目的とはいえ、そこは先生が大人として、監督者として、きちんと一線を引いておいてあげるべきなのかな…とも思ったり。

子供たちがとにかく、ひたむきで、一生懸命で、Pちゃんの面倒をそれこそ雨の日も風邪の日も毎日見て、1年を通し、成長してゆく姿には胸打たれました。
途中、3年生役の子供たちが出てくるのですが、実年齢も同じかは不明ですが、3年生と6年生って、全然違うんだな!とびっくりしました。
見た目も話し方も。
6年生が何だかすごく大人びて感じてしまいました…。

後半、Pちゃんを食べるか食べないかについて、ディベートが繰り返されるのですが、どちらの意見の子もアツイ。
台詞と結末なしの台本を配った、という話も聞きましたが、すごくリアル…昔テレビでやっていた“しゃべり場”の小学生版を観ているようでした。
どっちの意見も間違いではなくて、どっちの意見も理解できるんですよね。
私だったら…どっちだろう!?と一緒に悩みこんでしまいました。
私の答えは…頭が固いので、多分、最初に“食べる”と決めた以上、“食べる”に一票…。
というか、そもそも“食べる”ならやりたくない、と言ってしまいそうです。

客観的意見としては、子供自身に考えさせる、ということ自体はものすごく評価できることかもしれないけれど、主観的意見としては、ちょっと…酷な気もするんだなぁ…勿論、食肉センターや養豚の方々のことを考慮するんではなく、あくまで個人的意見ですが。
実際、お肉が食べられなくなっちゃう子も出てきてしまいそうで。

映画として、妻夫木くんは新任の先生を出すぎず、引っ込みすぎず、(逆に難しい?)演じていました。
松山ケンイチくんが「職員室にいる時と子供たちと一緒にいる時、星先生が違うひと」みたいなことを言っていたのですが、それが逆にリアルでした。
子供の前では、星先生は単純な言い方をすると、一番お兄さん、威張れる立場だし、率先しなくちゃいけない立場。
職員室の中では、一番下っ端、威張れないし、何か意見を言っても、ベテランの先生からツッコミを入れられてしまう状態。
ひとによって態度を変える…といっては、また意味が変わってきちゃいますが、新任のやる気ある、若い先生というポジションは統一されていたように思います。
校長先生役の原田美枝子さんも良かったです。
キュートな一面もありつつ、静かに諭す。
上司として、素敵。

今回は子供たちがメインの映画。
みな、素晴らしかったです。
演技とは思えない…「あんな子、クラスにいる!」や「子供の時って、ああいうものの言い方するよね」と友達とおおいに納得していました。

鑑賞後、どなたかとご一緒なら、是非、ディベートしてみてください。

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Comments

お久しぶりですscissors

ニュースで松山君が客席にいた!完全プライベートで観にきていた~☆ってやってたよね♪

しかし私自身もやっぱり~苦手なテーマだなぁ
て…宣伝だけ見たら思っちゃってたんだけど

ラスト…
子供たちがどんな答えを出すのかとても気になります。
命の大切さ…
難しいよね…
簡単に教えることができないテーマだと思うし
本当は単純なことなのかもしれないのにねapple

Posted by: あかね | December 16, 2008 at 01:16 PM

Pちゃんを食べるか食べないか。
そんなことを子供達が話し合って決めたなんて、考えただけで今もう涙がでそうです。
映画も元も観てないけど、これって確か・・・アッチだったんだよね、、

生きていくということはどんなことの上に成り立っているのか。
どういうことなのか。
子育てをしていると、どう言ったらいいのか?ということにたくさんぶつかるよ。
せめてどんなことも目を逸らさずに伝えていけたらと、思うばかり。

いつかのもう少ししたら。
手に取ってみなくては、と思う作品です。

Posted by: kiyu | December 16, 2008 at 03:25 PM

>あかねちゃん
絶対の正解、ということがないから、子供たちも悩みに悩んで、苦しんで。
ちょっと、痛ましかったです><
命の大切さ、という部分とは若干ずれた印象もあり^^;


>kiyuさん
あくまで、考えるのは子供たちの仕事、という授業だったので、ボロボロ泣きながら語る子供たちの姿にホロリ。
どっちの意見の子も、みーんな、Pちゃんが大好きなんですよね。

私も、絶対の正解を教えられるかどうかではなく、kiyuさんの言うように、“目を逸らさずに”子供と向き合える大人になりたいです☆

Posted by: ぽっぽ | December 16, 2008 at 07:22 PM

突然で申しわけありません。現在2008年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票は1/15(木)締切です。ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。

Posted by: 日本インターネット映画大賞スタッフ | December 22, 2008 at 02:52 PM

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