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December 2008

森博嗣『探偵伯爵と僕』(講談社)

探偵伯爵と僕―His name is Earl (講談社文庫)探偵伯爵と僕―His name is Earl (講談社文庫)
森 博嗣

講談社 2008-11-14
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ミステリーランド版が出た時から気になりつつ、文庫化を待っていた1冊。
主人公は小学生。
文体はいつものように難しい理系用語などは出てこない。

ある日、主人公は“伯爵”と名乗る男に出会う。
謎めいた伯爵とひょんなことで友達になる。
そんな中、主人公の学友が1人、いなくなった。
神隠し?
誘拐?
いや、殺人。
徐々に姿を現す事件の暗い形相。
児童文学のようだった作品、いきなり、すぅっと空気が変わる。
小学生と、殺人事件が交錯する。
伯爵は何時の間にやら色々と調べており、主人公もいつの間にか事件の核に触れようとしていた。

そして、事件の終末。
明かされる、伯爵の素性、思わず、ほろっときた。


…それで終わらないあたり、さすが森ミステリというか。
すとんと着陸したはずの地面がふわふわの泡に変わってしまった。

やーい、油断したな。
と、森さんに思われている気がした。


↓ミステリーランド版はこちら。

探偵伯爵と僕 (ミステリーランド)探偵伯爵と僕 (ミステリーランド)
森 博嗣

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↓ノベルス版はこちら。

探偵伯爵と僕 (講談社ノベルス)探偵伯爵と僕 (講談社ノベルス)
森 博嗣

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映画を観る→『ブタがいた教室』

公式ページはこちら → 


↓原作本はこちら。

豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日豚のPちゃんと32人の小学生―命の授業900日
黒田 恭史

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6年2組を担任することになった新米教師の星(妻夫木聡)は、食べることを前提として子ブタを飼うことをクラスの生徒たちに提案する。
校長先生(原田美枝子)にも相談し、卒業までの1年間26人の生徒が子ブタの面倒を交代でみることになる。
最初は戸惑っていた子どもたちも、“Pちゃん”と名付けた子ブタを次第にかわいがるようになり……。(シネマトゥデイ)


正直、あらすじだけ聞いていた時は苦手な感じかなぁと公開前はチェックはしつつも鑑賞予定はたてず。
『松山くんも観た!』というニュースのプッシュで観に行っちゃいました。

もともと、大阪の小学校で実際にあった授業が題材。
クラスでブタを育てて、最終的に食べる。
食べ物に感謝する、生きてゆくことを考える。
名目だけ聞くと、真新しく、興味をひかれる授業。
でも、自分が育て、ずっと見守っていた一匹のブタを食べられるのか?
映画の中で子供たちは星先生の提案に驚き、コブタの登場で、テンションが上がり、すっかり可愛がる気持ち満々。
星先生も朗らかに見守る。
そして、コブタに名前をつけたいと言い始める子供たち。
名前をつけることにより、コブタに親愛を持ってしまうことを恐れ、「やめた方がいいんじゃないかなぁ…」と先生は言うも、名前は「Pちゃん」に決定。
その時点で子供たちにとって、コブタは“食べるためのお肉”ではなく、“愛すべき唯一のコブタ”となってしまいます。
子供たちに自由に、考えてもらうことがそもそもの目的とはいえ、そこは先生が大人として、監督者として、きちんと一線を引いておいてあげるべきなのかな…とも思ったり。

子供たちがとにかく、ひたむきで、一生懸命で、Pちゃんの面倒をそれこそ雨の日も風邪の日も毎日見て、1年を通し、成長してゆく姿には胸打たれました。
途中、3年生役の子供たちが出てくるのですが、実年齢も同じかは不明ですが、3年生と6年生って、全然違うんだな!とびっくりしました。
見た目も話し方も。
6年生が何だかすごく大人びて感じてしまいました…。

後半、Pちゃんを食べるか食べないかについて、ディベートが繰り返されるのですが、どちらの意見の子もアツイ。
台詞と結末なしの台本を配った、という話も聞きましたが、すごくリアル…昔テレビでやっていた“しゃべり場”の小学生版を観ているようでした。
どっちの意見も間違いではなくて、どっちの意見も理解できるんですよね。
私だったら…どっちだろう!?と一緒に悩みこんでしまいました。
私の答えは…頭が固いので、多分、最初に“食べる”と決めた以上、“食べる”に一票…。
というか、そもそも“食べる”ならやりたくない、と言ってしまいそうです。

客観的意見としては、子供自身に考えさせる、ということ自体はものすごく評価できることかもしれないけれど、主観的意見としては、ちょっと…酷な気もするんだなぁ…勿論、食肉センターや養豚の方々のことを考慮するんではなく、あくまで個人的意見ですが。
実際、お肉が食べられなくなっちゃう子も出てきてしまいそうで。

映画として、妻夫木くんは新任の先生を出すぎず、引っ込みすぎず、(逆に難しい?)演じていました。
松山ケンイチくんが「職員室にいる時と子供たちと一緒にいる時、星先生が違うひと」みたいなことを言っていたのですが、それが逆にリアルでした。
子供の前では、星先生は単純な言い方をすると、一番お兄さん、威張れる立場だし、率先しなくちゃいけない立場。
職員室の中では、一番下っ端、威張れないし、何か意見を言っても、ベテランの先生からツッコミを入れられてしまう状態。
ひとによって態度を変える…といっては、また意味が変わってきちゃいますが、新任のやる気ある、若い先生というポジションは統一されていたように思います。
校長先生役の原田美枝子さんも良かったです。
キュートな一面もありつつ、静かに諭す。
上司として、素敵。

今回は子供たちがメインの映画。
みな、素晴らしかったです。
演技とは思えない…「あんな子、クラスにいる!」や「子供の時って、ああいうものの言い方するよね」と友達とおおいに納得していました。

鑑賞後、どなたかとご一緒なら、是非、ディベートしてみてください。

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映画を観る→『容疑者Xの献身』

公式ページはこちら → 

惨殺死体が発見され、新人女性刑事・内海(柴咲コウ)は先輩と事件の捜査に乗り出す。 捜査を進めていくうちに、被害者の元妻の隣人である石神(堤真一)が、ガリレオこと物理学者・湯川(福山雅治)の大学時代の友人であることが判明。 内海から事件の相談を受けた湯川は、石神が事件の裏にいるのではないかと推理するが……。(シネマトゥデイ)


ドラマ化の際に、『探偵ガリレオ』、『予知夢』、そして、今回映画化となった『容疑者Xの献身』を読みました。

容疑者Xの献身 (文春文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)
東野 圭吾

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原作では、探偵役、湯川の相棒は草薙、ドラマでは柴咲コウさん演じる内海がその役を担っていました。
まぁ、それはそれで。
ドラマは原作と異なる”流れ”で物語が進んでいったため、ベツモノとして楽しんでいました。
そして、『容疑者X』の映画化。
一体、誰が容疑者X=石神を演じるんだろう??
前作の『探偵ガリレオ』、『予知夢』と違い、『容疑者X』は長編、そして、お話もけっこうな深さで…ドキドキしながらキャスト発表を待っていたら、なんと、堤真一さん。
一番最初に頭に浮かんだのは、「カッコ良すぎだろう!」。
どうなんだろう、この映画…どきどきしながら鑑賞してきました。

感想としては、想像以上に、良かったです。
福山くんと柴咲コウさんはまぁ、ドラマの通り、という感じなのですが、何と言っても、「カッコ良すぎ」と評価してしまった、堤さんが素晴らしかった!です。
卑屈で、けして社交的ではなくて、でも、数学に関してだけは人一倍の自信とプライドがあって。
そんな石神を徹底的に演じられていました。
髪の毛もわざと自分で少しカットして減らして見せていたという話も聞き、はぁ~…と、感嘆。

そして、その石神が好意を抱く女性を演じた松雪泰子さんがはかなげで、キレイ…。
娘、美里役の金澤美穂ちゃんも良かったです。
幸、不幸含め、母子のシーンはぐっと引き込まれて。
お互いにすごく想い合っているのが伝わってきました。


石神の”献身”は全うされるのか??

繊細で、哀しい、純愛。
湯川先生が見せる一面も、切なかったです。
だからこそ、湯川と石神が部屋でお酒を飲み、語るシーンなどはほっとして、好きなシーンです。
2人の天才、2人だけしか分かりえないつながり。


ツッコミとしては、雪山のシーンは…要るの???
いつもの湯川のカッコイイ見せ場かと思いきや、そうでもないし。
…要らないよね…(笑)


ドラマで見せたオリジナル色は薄まってしまっていたので、ちょっと残念な気もしますが、原作ファンとしては、忠実に丁寧にキャスト、スタッフの方が創られているようで、嬉しかったです。
夢中で鑑賞できました。


↓映画主題歌。石神の想いを描いているようで、鑑賞後に聴くと、また違う印象を抱けるはず。

最愛(DVD付)最愛(DVD付)
KOH+ 福山雅治 井上鑑

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↓サウンドトラックはこちら。

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