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February 2008

『3月のライオン』1巻(白泉社)

「おいで」と言ってもらえた場所ができただけで……
そのコトバだけで
うれしくておなかがいっぱいで
もう
充分な気がした

3月のライオン 1 (1) (ジェッツコミックス)3月のライオン 1 (1) (ジェッツコミックス)
羽海野 チカ

白泉社 2008-02-22
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桐山零、17歳、プロ棋士。
幼い頃、事故で家族を失った彼は深い孤独を抱えていた。


『ハチミツとクローバー』の羽海野チカさんによる、超話題の新作。
『ヤングアニマル』で連載が始まるという広告を見て、先ず驚き。
出版社も変わっているし、青年誌だし。

そして、将棋。

『月下の棋士』(『3月のライオン』の中でその原作タッチを見ることができるコマがあります)のドラマにはまり、羽生善治さんが好きで、現在も『しおんの王』という将棋マンガ(サスペンス要素も有)を読んでいる私は単行本化をすっごく楽しみにしていました。
羽海野チカさんの新作、というだけでもひかれるのに、将棋!キャー!
私自身は”並べ方”は分かれど”指し方”は分かっていないレベルなのですが。
監修は先崎学八段。
お話に出てくる盤面の説明や将棋の知識などを教えてくださいます。

主人公、零は東京の下町で一人暮らしをしている17歳。
家族はいません。
無愛想なわけでもなし、人付き合いがとんでもなく下手なわけじゃあない。
でも、彼は誰かに”甘える”ことができずにきたために、誰かに甘えたり、頼ったりができなくなってしまった子なんだと思います。
”生きる為に”、将棋と共に生きる道を選んだ零。
”棋士”という肩書きを持ち、”五段”という評価を得、同じ土俵にいる人間と闘わなければならない-それがどんなに近しい人間であろうと。

ほんわか包んでくれるあかりさん、お年頃のオンナノコ、ひなたちゃん、ちっちゃくて愛くるしいモモちゃんの3姉妹と零が一緒にいる場面はとてもやさしくて好きです。
ご飯のシーンは食欲も刺激してくれちゃう。
零くんだけのシーンがどうしてもシリアスな空気勝ちになっているので、3姉妹が登場すると、ほっとします。
3姉妹の前では零くんが素直に喜怒哀楽を感じることができるんじゃないかな、と思います。

あと、ちょっとした表情がすごく憂いを含んでいて、素敵だなと感じます。
独特の世界観。
動も静もしっかり織り込まれている。

サブキャラクタが個性的で皆魅力的なことも羽海野さんのすごいところだなと。
個人的に気に入っているのは、将棋の師匠でもある幸田さん、晴信(プラス、花岡さん…)。
幸田さんと零の回想シーンなんて、号泣。
その一方、実子である香子や歩の気持ちもビシビシ伝わってくるし、色んな意味で零に対して抱く嫉妬心も理解できるしで、苦しいシーンでもありました。
晴信は純粋に「負けたくない」、それを隠そうともせず指す将棋、今後もドキドキワクワクさせてくれそう。

将棋色はまだ基盤を敷いたところかなと思いますが、これからトーナメントなどが開催され、個性的な棋士たちの戦いを読むことができるのかということも楽しみです。
そして、零くんの成長していく姿、彼がしあわせになるように願いつつ、見守りたいです。

羽海野先生の描く物語、やはり素敵です。
将棋マンガですが、将棋を全く知らないひとでも十分楽しむことができます。
願わくば、そこから将棋に少し興味を持ってもらえると、何だか嬉しい。


↓『ハチミツとクローバー』

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羽海野 チカ

集英社 2002-08-19
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さくらももこ『4コマ ちびまる子ちゃん 1巻』(小学館)

4コマちびまる子ちゃん 1 (1) (ビッグコミックススペシャル)4コマちびまる子ちゃん 1 (1) (ビッグコミックススペシャル)
さくら ももこ

小学館 2008-01
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『ちびまる子ちゃん』の新聞4コマ。
小学館さんから出ています。

設定などは基本そのままに、形式だけストーリー→4コマへ変換されています。
一番最初に人物紹介がされているので、あんまり詳しくないひとも大丈夫?
でも、ネタなどを見る限り、ある程度詳しいひと向けかなぁと。

面白いか、面白くないかで言うと、微妙。
ストーリー形式のテンポに慣れているせいか、4コマのまるちゃんに慣れることに前半消費。
新聞の4コマって、ドカンとした笑いではなく、ほのぼのした笑いがこぼれるものなのかなと思うので、ギャグに対してそんなに高望みはしていないのだけれど。

まるちゃんがいつもよりも子どもらしいような気が若干。
小学生なのにお年寄りみたいなまるちゃんが好きなもので。

私はいつものストーリー形式の方が好きかな。

それにしても、”村岡さんの奥さん”がまさかあんなに出てくるなんて…そこはヤラレタ。


↓もともとの、ストーリー形式。

ちびまる子ちゃん (1) (りぼんマスコットコミックス (413))ちびまる子ちゃん (1) (りぼんマスコットコミックス (413))
さくら ももこ

集英社 1987-07
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森博嗣『奥様はネットワーカ』(メディアファクトリー)

奥様はネットワーカ (ダ・ヴィンチブックス)奥様はネットワーカ (ダ・ヴィンチブックス)
森 博嗣 コジマ ケン

メディアファクトリー 2007-04
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某国立大学周辺で暴行傷害事件が多発していた。
そして、スージィこと内野智佳の周辺でも不気味な出来事が続き、ある日、同じ学科図書室司書のルナが被害に。
工学部化学工学科内の6人の視点で進む、ちょっとホラーなミステリィ。


懐かしい~。
まだ森博嗣さんのファンになる前に、雑誌『ダ・ヴィンチ』で連載されていた作品。
あの時はあまり興味を感じていなかった…私が『ダ・ヴィンチ』を毎月読む習慣がつき始めた頃で、物語も途中だったから読まなかったんですよね…まさかこんなにはまる作家さんになるだなんて想像もしていませんでした。

コジマケンさんのイラストが可愛くて、お話の合間に出てくるイラストに和みつつ読む読む。
6人の登場人物の視点でお話が交互に(順番不同)進んでいくのですが、視点が変わるたびに語り手の名前と併せてコジマケンさんによるキャラクタのイラストが。
それも毎回違うイラスト、素晴らしい。
イラストも一緒にストーリーを紡いでいて、和むだけでなく、ドキドキもさせられる。

さてさて、”ちょっとホラーなミステリィ”。
ほんとに、怖い。
油断していたら、怖い。

一体、誰の思考についていったらいいの??
あっちについていったり、こっちについていったり、そうこうしていたら、謎の正体に驚き。
全然ついていけていない自分に気づく、と…いつものパターン??

しかし、洋侑さん!…爽やかだなーとただ思っていたのに、ちょっと裏切られた感ですっ。
謎とは関係ないところで、ヤキモキ。

↓ノベルスはこちら。

奥様はネットワーカ奥様はネットワーカ
森 博嗣

講談社 2005-01-14
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↓単行本はこちら。

奥様はネットワーカ奥様はネットワーカ
森 博嗣

メディアファクトリーダヴィンチ編集部 2002-07
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映画を観る→『人のセックスを笑うな』

美術学校に通う19歳のみるめ(松山ケンイチ)は、39歳のリトグラフの非常勤講師ユリ(永作博美)と恋に落ちる。友人の堂本(忍成修吾)に問いただされ、みるめは彼女との仲をうれしそうに告白するが、いつもつるんでいる仲間のえんちゃん(蒼井優)の顔は曇ったままだ。だが、実はユリが既婚者であることが分かり、みるめは混乱する。(シネマトゥデイ)


ついに観ちゃいました。
とにかくキュートで、”長回し”のシーンが多いにも関わらず、退屈せずに鑑賞できました。
お部屋に入る陽の光なんて、絶妙。
すごく温かみのある画だなと感じる映画でした。

劇中の松山くん=みるめはずぅっと永作さん=ユリちゃんに夢中。
もー、大丈夫かい?!って心配するくらいに。
だめだめです、しかし、それが恋なんだ!って高らかに宣言されている感じ。
だから、うらやましい気持ちの方が高まります。
これはみるめの人生がユリちゃん一色になってしまっている物語です。
そして、彼がそれだけ夢中になってしまうのも納得してしまう、ユリちゃんの立ち居振る舞い。
一緒に鑑賞した友達は「悪女やな…」とぽつり。
”悪”の文字はユリちゃんのイメージではないけれど、まぁそうかなぁと。
ユリちゃんがリトグラフ(面白そう!)の最中に機械を触ろうとするみるめに「触らない!」って注意、みるめは素直に手を引っ込めるところとか、歳の差の具合が出ているシーンだなとしみじみ。

みるめを想うえんちゃんと友達の堂本くんが二人でいるシーンが好きでした。
何か、可愛くって。
そして、何気に一番ドキッとさせられてしまったのが二人のラストシーンなんですよね。
キャッ!って。
みるめ、堂本、えんちゃん、クラスメイトたちとの風景はとても楽しそうで活き活きしていて。
学生生活に戻りたくなる。
大学が女子大だったので、特に共学に改めて行きたくなっちゃいました。

蒼井優ちゃん演じるえんちゃん、ユリちゃんが大人であるが故の器用さを身につけているとしたら、えんちゃんは不器用な子。
上手く気持ちが伝えられず、ヤキモキ。
「ばーか!」って言いたくなる気持ちに激しく共感しつつ。
蒼井優ちゃん、躍動感あるなぁと惚れ惚れ。

ユリちゃんの旦那さん、猪熊さんを歌手のあがた森魚さんが演じていて、びっくり(そんなに詳しくはないのですが)。
猪熊さんのゆったり具合がある意味みるめ以上にぽっぽのツボにヒット。
色んなことを赦してくれそうで、何かあったら助けてくれそうで、ユリちゃんの中での猪熊さんの存在はきっと大きい、言葉はないけれど、そう感じてしまう器の旦那さまでした。
みるめと一緒にいる時と、また少し違うんですよね、ユリちゃんの雰囲気が。
二人の暮らす家の空気も素敵でした。

松山くんファンとしては、観ている間「キャー!」(ジェラシー)とかなっちゃうかという妙な懸念をしていたのですが、落ち着いての鑑賞。
終始良い心地でいることができました。
松山くんにぎゅーってされる永作さんがうらやましい、というより、あんな風に誰かをぎゅーってしたくなる気持ちがうらやましくて。
切ないんだけれど、えんちゃんに対してもうらやましくなりました。
誰かのことで幸せな気持ちになったり、悲しい気持ちになったり。
そういう影響を与え与えられることが恋の力なんだなって。
偉大です。

どこまでが脚本通り??と思うくらいにナチュラルな映画。
明確なラスト、答えを提示してくれるわけではないけれど、観ている間、観終わった後、ゆるくって甘くってあったかい空気に包まれることができる作品です。

みるめが白い服を着ているシーンがあって、思わず”L”にしか見えませんでした(笑)

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映画を観る→『きらきらひかる』

生きてくってことが幸せってもんよ、お客さん

きらきらひかるきらきらひかる
薬師丸ひろ子 豊川悦司 筒井道隆

フジテレビ 2004-03-03
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アルコール依存症の妻、同性愛者の夫、そして、夫の愛人のちょっと不思議な三角関係を描いた本作。
江國香織さんによる原作が好きで、この度DVDを観る機会が。

ファッションや台詞に時代を感じつつも、古臭い印象はなく。

薬師丸ひろ子さんが演じるアルコール依存症、情緒不安定な笑子、ちっちゃいのに走ったり暴れたり、とてもパワフル。可愛い。
でも、私が
豊川悦司さんはそんな笑子に振り回される旦那さんの睦月。
職業はお医者さん、とても、優しい。
控えめですが、カッコ良かったです。
筒井道隆さん、若いっ。
大学生、睦月の愛人である紺。
原作の紺のイメージと少し違う気はするのですが、なにぶん読んだのがかなり昔で、うろ覚え。
アルバイト中の作業着姿やキャップを後ろ向きにかぶっているのが可愛かった。
紺、切ないだろうな…って、何だか勝手に感情移入。

原作を読んだのが随分前で細かいストーリーの流れが思い出せないのですが、不思議な関係図はそのままに、少しほろ苦い、でも前向きな素敵なお話となっていました。

記事冒頭に載せた映画の中でクセのあるウエイトレスさんが笑子に言った台詞が印象的。
ウエイトレスさんが原作で出てきたという記憶がないのですが、どうだったっけ…前は図書館で読んだので、またチェックしてみなきゃだなぁ。


↓原作はこちら。

きらきらひかる (新潮文庫)きらきらひかる (新潮文庫)
江國 香織

新潮社 1994-05
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映画を観る→『チーム・バチスタの栄光』

公式ページはこちら → 


高難度の心臓手術「バチスタ手術」を26回連続で成功させていた“チーム・バチスタ”に、3度続けて術中死が発生。
内部調査を任された田口(竹内結子)が適当な報告で締めくくろうとした矢先、厚生労働省から派遣された切れ者役人の白鳥(阿部寛)が現れる。
2人はコンビを組んで、“チーム・バチスタ”のメンバーを再調査することになる。(シネマトゥデイ)


原作が面白かったこと、キャストが豪華だったことでわくわくしながら鑑賞してまいりました。
しかし、今回の映画はどうしても原作のダイジェスト版という感が否めませんでした。

田口先生が原作では男性でしたが、映画では女性=竹内結子さん。
そのへんは特に気にせず、鑑賞。
阿部寛さんは白鳥のアクの濃さをきっと上手く演じてくれるはず、と期待。

チーム・バチスタのメンバーが豪華ですごく楽しみでした。
吉川さんは男らし過ぎるんじゃないかと思っていましたが、始まればカッコイイなーと惚れ惚れ。
佐野史郎さんを始め、クセモノだらけで面白そう!とうきうきしていたのですが、うーん。
井川遙さん演じる大友さん、ちょっとミスが派手過ぎるんじゃないか??とか。
何だか、勿体無い。
藤原さん役の野際陽子さんなんて、ちょっとしか出ていないのに存在感があってすごく贅沢だなと。
でも、活かしきれていない。

原作で面白かったのは、田口と白鳥のデコボココンビの掛け合い。
そして、タイプの違う二人によるヒアリングにより浮き上がる容疑者たちの内面。
第一段階、第二段階と、どんどん掘り下げられていく容疑者たち。
色んな要素が絡み合う中、謎を突き止めていき、発覚。
発覚後のストーリー展開も大幅に省略されてしまっていて、犯人がただの悪戯でやっちゃった、みたいになってしまっていたのが残念でした。

ラスト、愚痴外来の患者さんと田口のふれあいは好きな流れではありますが、原作に”+α”するべきところを間違っているんじゃないかなーと。
ソフトボールの試合は白鳥の登場を盛り上げる意味で取り入れたのかもしれませんが…どうかな。

原作を読んでいない方はそれなりにすんなり飲み込める内容にはなっていたと思いますが、せっかくのミステリ、もうちょっと”謎”をしっかりと描いて欲しかったです。

退屈することはないと思います、テンポは軽快。

個人的には氷室、鳴海の義兄弟揃っての聞き取り調査のシーンを実写で観ることができたのは嬉しかったです。

せっかくの豪華キャスト。
再チャレンジはあるのでしょうか??

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 599)チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 599)
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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 (600))チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 (600))
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映画を観る→『L change the WorLd』

公式ページはこちら → 

↓ナビゲートDVD。

L WorLd of change the WorLdL WorLd of change the WorLd
松山ケンイチ 工藤夕貴 福田麻由子

バップ 2008-01-23
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名前を書かれた人間は必ず死に至る“デスノート”を駆使して犯罪者を粛清、新世界の神になろうとした“キラ”こと夜神月の野望を阻止するため、天才的な頭脳で応戦したL(松山ケンイチ)。
しかし、キラ事件の解決には、Lにとって多くの代償が伴った。
そんなLの前に、彼自身が解決しなくてはならない難事件が立ちはだかった。(シネマトゥデイ)


記事を書くのが遅くなりましたが、鑑賞自体は張り切って、初日のアサイチに行ってきました。
子どもから大人まで、土曜ということもあり、大賑わい。

意外とエグいシーンがあって、内心ビクビクしていました。
でも、”びっくりした!感”は『DEATH NOTE前・後編』の方があったかも。
今回の『L』は唐突ではなくって、少しドッキリするシーンの予兆みたいなものを感じ取れた気がするので。
『リング』の中田監督ということですごく緊張していたのですが、『リング』というより一瞬『バイオハザード』を思い起こしてしまったり。

松山くんは前回以上にL。
私はおヒョイさん演じるワタリもすごく好きだったので、Lがワタリに「私はあなたがいてくれれば幸せです」と何気なく告げるシーンは思わずうるっときてしまいました。
『DEATH NOTE』のラストがよみがえってしまって。

知人に「活動的なLなんて、何だか変」と言われていたのですが、原作ではLは月とテニスしたり、ケンカしたり、それなりに反射神経が良いところを発揮しているんですよね。
ただ、ちょっと他人とは違う動きを見せるだけで。
なので、Lらしい動きを工夫している松山くんにはただただ満足。

悪役のキャストも豪華で、佐藤めぐみちゃん、怖い怖い。
工藤夕貴さんの存在感は素晴らしかったけれど、せっかく豪華な悪役たちなのに全体で見ると、もひとつインパクトが薄くなっちゃったかなと。
工藤さん演じる久條には彼女なりに何が何でも貫きたい想いがあって、その想いの強さだけは伝わってくるものがありました。
彼女のとった行動自体は絶対に認めたくはないけれどね。

FBIのナンちゃんは…出て来る度に笑いが起こっていました。
…和みます。
でも、映画自体には特に影響なし…。
…それがまた和みます(笑)

子役の二人も頑張っていました。
福田真由子ちゃんは芯の強い真希をしっかり演じてはりましたし、BOY役の福田響志くんは日本語以外をぺらぺら喋っていて、知的な空気をしっかり醸し出していました。

BOYとLの最後のシーンも、ぐっときました。
思わぬところに…。
原作を読んでいる方しか分からないとは思うのですが、読んでいなくても”LからBOYへのプレゼント”、心温まるシーンでした。
是非原作も読んでみてください!

結論としては、L好きに贈る、Lについての映画、ですね。
『DEATH NOTE』のようなスリルある頭脳戦ではなく、体力勝負??
”デスノート”が暗躍するわけではないので、完全に人間と、人間の創り出した”凶器”による戦い。
分かりやすい内容にはなっているんじゃないかと思います。

私は松山くんのLを再び観ることができて、嬉しかった。
Lに血が通っていることを描いてくれたこの映画を楽しく鑑賞できました。


↓サウンドトラック。

Sound of L change the WorLdSound of L change the WorLd
サントラ 川井憲次

バップ 2008-01-23
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映画を観る→『ピュー!と吹くジャガー THE MOVIE』

公式ページはこちら → 

芸能人養成所でふえ科の講師をつとめるジャガー(要潤)。 しかし、養成所の赤字の原因であるふえ科は廃止の危機に直面し、音楽業界で生きていく道まで断たれることになる。 ジャガーはふえ科存続のお金を工面するため、無謀な作戦を思いつき、ふえ科の生徒ピヨ彦(大村学)たちと作戦を実行しようとするが……。(シネマトゥデイ)

週刊少年ジャンプで連載中の同名コミックの実写化。
原作ははちゃめちゃなギャグマンガ。
ツボにはまると、「恐ろしいマンガ…!」と呻きそうな作風です。
私はうすた作品とは程良い距離をとっている読者だからか、意味が分からない時はとことん分からないです。
分かんないのが面白くなってくることもしばしばですが(笑)

初めて実写化の広告をジャンプで見た時もギャグの一環だと思っていたら本当でした。
しかも、要潤さん=ジャガー。
彼の変わり果てた姿に、衝撃。
要潤さん目当てで観に行ったと言っても過言ではないです、本当に。

オープニングが私はお気に入り。
私はこの映画に感涙は求めていませんでした。
リアルなストーリーも、整った展開も。
原作みたいにただ”楽しく”鑑賞したいな、それができる作品であるはずだと途中まで気楽に構えていました。

ただ、鑑賞前にネットのレビューで目にしていた、暴力的なシーンの描写の件。
それが、ちょっと作品の世界をゆがめてしまったようには感じてしまいました。
物語を盛り上げる上で、約1時間半の映画をつなげていく上で必要であったのかもしれないけれど、私自身がもともと血などが苦手なこともあり、少し気持ちが沈んでしまいました。
殺し屋役の有吉さん(元・猿岩石)なんて、けっこう演技が良かっただけに何だか残念。

登場人物がたくさん出てきて、ちょっとムラがあるのも勿体無かったかな。
短編をいくつか、ある程度絞ったキャラ別にお話を組んだら面白かったかも。

要潤さんの無表情でとぼけたことをするシーンや弾けたダンスはこの映画でしか観ることができないので、要潤ファンにはオススメです。
ハマー役の小木さんがうだうだ言い訳をするシーンで、要さんが多分我慢できずに思わず”にやり”としてしまっているところなんて、観て欲しい。
ピヨ彦役の大村学さんはリアクションが毎回激しくて、それはそれでけっこう好きでした。
声のイメージが何となく私はしっくりきていたので…ピヨ彦としてはもうちょっと薄いキャラのひとでも良かったかもしれないですね。

全面的にこれぞジャガー!とは思えませんでしたが、笑えるシーンだけは純粋に楽しかったです。

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谷川史子『くらしのいずみ』(少年画報社)

しあわせになって

くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)
谷川 史子

少年画報社 2008-01-28
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6組の夫婦と1組の夫婦の卵の物語。

”夫婦もの”ということで、どういう感じになるのかとページをめくりましたが、広がるはいつものあったかさはちゃんと持っている世界。
ほんわかした気分で、読み進めました。

毎日を過ごしていて、ついつい見落としがちなことや当たり前に感じていること。
そんなちょっとした出来事をうまくすくい上げてくれる漫画家さんだなとしみじみ。

谷川さんの作品を読んでいると、登場人物と一緒になって笑顔になったり、涙がこぼれたりしてしまう。
ので、表情が忙しい私(笑)
キャラクターがみんな一生懸命で、見ているだけで元気になれちゃうんだな。
自分のことだけでなく、相手のことにも必死。
動きだけでなく、喜怒哀楽の感情にしてもがむしゃらな感じが好きだ。

6組の夫婦の内、2組が実はつながっていて、そこにまたぐっときてしまった。

結婚するということ。
相手のこと、本当に理解できている?
家事はどっちがする?
一緒に暮らす?
記念日はどう過ごすの?
ひとによって様々なことごと。
”恋人同士”だった時と、何かが変わる、”夫婦”というひとつの家族。

初めての青年誌からの出版。
今後の活動も気になるところです。

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横山秀夫『真相』(双葉社)

真相 (双葉文庫)真相 (双葉文庫)
横山 秀夫

双葉社 2006-10
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収録作品
真相
18番ホール
不眠
花輪の海
他人の家


母と一緒に夢中になっている横山秀夫さん。
面白い。

今回の『真相』は警察小説、ではありません。
重いお話が多いのだけれど、後味が悪くないところがお気に入り。
全ての物語にドラマがあり、更なる謎や登場人物の思惑が浮き彫りになっていく様に引きずり込まれていく。

『真相』で先ずじんわりと涙し、『18番ホール』、『不眠』でハラハラドキドキし、『花輪の海』でひんやり、じんわりし、『他人の家』でまた息を呑む。

『花輪の海』は前半、読んでいて痛々しい描写があったのですが、ラストまで読み、収録作品の中で一番好きになりました。
青空を駆けるメール…ここが好き。

横山さんの作品は全てのお話に”救い”があるわけではなく、”光”に到達しないままに物語が終わることもある。
でも、読後感は悪くないんですよね。

物語が進むにつれて力が入り、終わるとようやく緩む感じがする。

ちょっぴり間は空けたいけれど、また近い内に読みたい作家さんです。

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