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宮部みゆき『誰か』(文藝春秋)

誰か (文春文庫 み 17-6)誰か (文春文庫 み 17-6)
宮部 みゆき

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今多コンツェルン広報室の杉村は自転車による轢き逃げにより、事故死した会長専属の運転手、梶田信夫の娘たちから相談を受ける。
未だ捕まらぬ犯人に訴えるべく、亡き父についての本を作りたいと言う。
彼女たちの強い想いにほだされ、梶田の人生をたどり始めた杉村であったが…。

久々に読んだ宮部作品。
一気に読ませてくれるのはさすが、と思います。
物語に起きる”事件”との距離感がタイトルの「誰か」と同じように、”近いような遠いような”感覚で進んでいく。
誰の目から見ても”殺人事件”として扱われるようなものではない、梶田の死から始まり、全く違う面が顔をのぞかせる物語。

今多コンツェルンの娘の夫として周囲にけして格好良くばかり思われていないことを知りながら、妻や娘のために、その立場を貫く杉村。
読者として、彼の心の内を知らない、物語に出てくる周囲の登場人物たちにとっては”情けない”、”恵まれた”人間としてしか映らないかもしれないし、彼もいちいちそれを訂正したりはしない。
読者である私はそんな杉村を”男らしい”とも思ったり。

宮部作品の中でもけして派手ではないミステリ。
ミステリの裏にあるミステリ。
派手ではないけれど、ぞっとしたり。
それでも、最後には穏やかな気持ちにさせてくれます。

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宮部 みゆき

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Comments

「誰か」っていうタイトルの意味が
興味深いです!
近いようで遠い~・・・かぁ~★
宮部作品はほぼ読んだことがないので
2008年の目標かな♪
開拓~♪

Posted by: あかね | December 26, 2007 at 07:26 PM

2008年は開拓の年??いいねv
私はミステリは宮部みゆきさんからはまり始めたような感じです。
厚い本も多いけれど、読めちゃう。
是非開拓チョイスのひとつにvv
オススメは両方長編の『龍は眠る』、『火車』です。
個人的には短編より長編の方が面白い作家さん。

Posted by: ぽっぽ | December 28, 2007 at 12:04 AM

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