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July 2007

映画を観る→『ピアノの森』

公式ページはこちら → 

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小学5年生の雨宮修平はピアニストを目指している。
夏の終わり、田舎の学校へ転校した修平はクラスメイトのキンピラに夜になると勝手に音を奏でるという、森の中にあるピアノを弾いてくるように命じられる。
しかし、同じくクラスメイトの一ノ瀬海は「あのピアノは音が出る!」とキンピラに喰ってかかる。
その場は音楽教師阿字野によっておさめられた。
放課後、森へと向かう海と修平。
木漏れ日に照らされたグランドピアノが確かにそこにはあった。
鍵盤に指を下ろす修平であったが、全く音は出ない。
やはり壊れているのか…とがっかりする修平の前で海はいとも簡単に美しい音色をそのピアノから奏でさせる。
どうして海にはこのピアノを弾くことができるのか?
修平はコンクール優勝を目標にレッスンに励む中、母により、阿字野が過去に怪我により引退してしまった、有名なピアニストであったことを知るのだが…。


失礼なことに、期待していなかったのですが…面白かったー!!
勿論、原作知りませんクラシック詳しくないですの私が言うことなので、お話半分くらいで聞いて頂きたいのですが、はまってしまいました…。
映像と音がすごくマッチしていて、聞き惚れてしまいました。

声の方が皆、よかったです。
一番びっくりしたのは上戸彩さん=海のぴったり具合!
ドラマの演技より、断然好き。
逆に修平くんが声変わり途中みたいな神木隆之介くんやったのが微妙(笑)
神木くんはジブリで達者な声優ぶりやったので、期待していたのですが、もうちょっと声が高い時にやってほしかったかな。

私の前知識としてはこのお二人に関してだけあったので、他のキャストは知らなかったのですが、観ている間中阿字野先生にかなり夢中になってしまいました。
ので、正体が宮迫さんと知った時には軽く腰が抜けそうに(笑)
ご本人も「俺じゃないだろ」とおっしゃっていましたが、渋過ぎ…。
観ている間、誰やろ~と想像するも、宮迫さんへは全く繋がらず、でした^^;

少年少女たちのピアノへの想い。
阿字野のピアノへの想い。
そして、彼らによって奏でられるピアノ。

演奏が終わる度に拍手しそうになってしまうくらいに、音が綺麗です。
思わず、目頭が熱くなっちゃったよ。

勿論、海と修平の友情にも注目!

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原作:天樹征丸、漫画:さとうふみや『金田一少年の事件簿 雪霊伝説殺人事件』上・下巻 (講談社)

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1億円の遺産相続の話を持ちかけられ、氷壁岳にある「雪稜山荘」にやってきた金田一、そして美雪と剣持警部。
同じく相続候補者である7人の男女が集まった。
しかし、二日後の朝まで山荘で同じ時を過ごすことになったメンバーの一人が突然、凍りついた死体となって発見される。
そして、”雪霊タカハシ”の仕業だと口走る他のメンバー。
本当に雪霊の仕業なのか??


じっちゃんの名にかけて!!!
上下巻が同時に出てくれるので、単行本派の私としては、有難い。
けっこう面白かったです。

色んな要素が絡まって事件を入り組んだものにしています。

はじめちゃんがフライング?してしまったところはやきもきしましたが、最後はバッチリきめてくれる姿にスカッとしました。

そして、恐怖の存在であったはずの”タカハシ”にまつわるエピソードがラスト、少し切なくさせてくれます。

短編「速水玲香と招かれざる客」も下巻に掲載されているのですが、こちらはコメディ要素が強い作品なので、肩の力を抜いて楽しめるものであるかと。

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森博嗣『そして二人だけになった』(新潮社)

そして二人だけになった―Until Death Do Us Partそして二人だけになった―Until Death Do Us Part
森 博嗣

新潮社 2002-11
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全長4000メートルの海峡大橋を支える巨大なコンクリート塊。
その内部に造られた「バルブ」と呼ばれる閉鎖空間に科学者、医師、建築家など6名が集まった。
プログラムの以上により、海水に囲まれて完全な密室と化した「バルブ」内で次々と起こる殺人。
残された盲目の天才科学者と彼のアシスタントの運命は……。(あらすじより)


シリーズものに比べると、とてもシリアスな印象。
(「スカイ・クロラ」シリーズはシリアスですが)
そして、ちょっと怖い。

謎については、やはり今回も分からない。
ひとがどんどん殺されていく、容疑者が限定されてゆくというのに、全く犯人が見えてこない、一体誰???
そして、明らかになる謎に、息を呑む。
後半、一気に謎がばらばらっと解けていくので、そのスピードについていけなかったけれど。
お話全体も、ちょっと難しい。
バルブの構造、バルブ内の様子など、想像力をいっぱいいっぱいに広げても、うまくいかなかった…工学部や建築科のひとはくっきりと想像できるんやろか??
今も頭に?が渦巻いています。
も一回読んでも飲み込めないかも(笑)

登場人物は個性的、というよりもクセがある、という感じでした。
やっぱりS&MやVシリーズのキャラクタが好きやなぁと再確認しました。

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魚喃キリコ『キャンディーの色は赤。』(祥伝社)

愛してるよ、心から、本当に。

キャンディーの色は赤。 (Feelコミックス)キャンディーの色は赤。 (Feelコミックス)
魚喃 キリコ

祥伝社 2007-07-25
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18のタイトルがつけられたお話がつまった、文章とイラストで彩られた短編集。

魚喃キリコさんの新刊だ、うわぁーいv
コミック発売予定をチェックした日から楽しみにしていました。
題名も、”キャンディーの色は赤。”…かわいいv
しかし、表紙を見て、やはり魚喃さんだ…と、妙に納得(笑)
真っ白な紙に落ちた、赤いインク。…血かしら。

文章と、挿絵、的なタイプのものもあったり。

個人的には魚喃さん自身が出ている?(拝見したことのあるお写真と似ているし、名前がナリコ…)かと思わせる『恋するマリー。』が好きです。
ほんわか、じんわり、していて。
マリーの言葉に「恋するマリーみたいになりたいなァ」…同感。

ざっくりざっくりひとの心を描く魚喃さんのコミックは、時折目をそらしたくなるくらいに痛々しくも感じるけれど、妙にひかれて、いつも読んでしまう。
ひとって、愛おしい。

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映画を観る→『西遊記』

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孫悟空一行VS金角大王・銀角大王!!


映画化が決まった時の最初の印象は
「みんな、そんなに西遊記が好きやったんや」
でした^^;

ドラマは観たり観なかったりで、最終回は観ていないのですが、映画館で思ったことはこの作品はいわゆる「子どもに安心して見せられる」(あんまりこの表現は好きではないのですが)ものなのかもしれないな、ということ。 
『西遊記』のような作品があるということは、何だかちょっとほっとします。
親子連れ、それもけっこう小さなお年頃のお子様が多くて。
キャッキャッと楽しそうに観ている姿が微笑ましかったです。
ドラマというよりはアニメや特撮ヒーローものに近い感覚なのかもしれません。
単純明快。
格闘シーンは私はけっこう楽しんで観ていたけれど。
小さい頃は朝のヒーローものを喜んで観ていたのですが、オトナになると、なかなか観る機会がなくなってくるので、久々!って。
童心に返りました(笑)

キャストは良いですね。
『わたしたちの教科書』を観て、谷原章介さんが素敵!と騒いでいたのですが、この映画を観ていて、思いの外ファンになっている自分に気付いてびっくりしました(笑)
カッコイイですvvv
『山田太郎ものがたり』の百面相が大好き!な田部美華子ちゃんはとても凛として、しゃきっとしているお姫様役。
そして、金角・銀角大王が誰なのか、写真だけじゃ、全然分かんなくて。
金角は声を聞いて、「鹿賀さん!」とすぐ分かりましたが、銀角だけがずぅっと分からなくて。
鹿賀さんと同じく、「声!この声、聞いたことあんのにー誰!!」とエンドロールで漸く判明。
お化粧のし過ぎ(笑)で、全く結びつかなかったです…とほほ。
そして、最後の最後に三谷幸喜さんが出てきたことには吹き出しました…(笑)

大人のひとが1800円払って満足できるか…というと…うーん…ですが、娯楽映画として、ドラマが好きな方には楽しめるのではないかと。
私は衝動買いで前売り券を持っていたので、観に行きましたが、1800円なら多分観ません^^;


ドラマDVD。

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香取慎吾 内村光良 伊藤淳史

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米澤穂信『氷菓』(角川書店)

氷菓氷菓
米澤 穂信

角川書店 2001-10
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”省エネ”少年、折木奉太郎、高校1年生。
なりゆきで入部した古典部、仲間たちにひっぱりこまれるように様々な日常に散らばった謎を解く羽目に。


東京創元社から出ているシリーズが好調の米澤穂信さん。
角川の夏の1冊のひとつである本作をこれを機会にチェック。
第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞(長っ!)を受賞した作品。

読んだ率直な感想としては、デビュー作ということもあってか、読み易い、ライトノベルに近いかと思われるような読み応えです。
”氷菓”という題名だけ見て、ちょっとヒヤッとする…というと、単純なイメージ過ぎですが、そういう、クールな作品かと思っていたのです。
でも、読み始めると、ほのぼのしている。
学園ミステリ、とあらすじに銘打たれておりましたが、その通りですね。

キャラクタも、それなりに個性的な高校生たちが出てきます。
奉太郎の”省エネ”少年っぷりはというと、廊下に落し物らしき物体を見つけても、貴重品ではなさそうだと認識すると、拾うのを止める。
一円以下の価値のものを拾うために身を屈めても、必要なエネルギー消費は一円を上回ってしまうというのは省エネ者の間の常識だ。
…ということらしい。
そのシーンにきて、漸く主人公のキャラクタを楽しみ始めました。

お嬢さまの千反田、毒舌の伊原という女子。
”旧友”で”好敵手”で”仇敵”の里志のキャラクタがヒトクチでは言えないけれど、面白いです。

血生臭いミステリでは全くありません。

でも、千反田さんが持ち込んだ謎はほろ苦く、他の謎とはまた少し違います。

この作品はどうもシリーズとして二作目が出ているようなのですが、この作品を読み終えた時にいつの間にやら次作が気になっていたぽっぽでありました。

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三田誠広『いちご同盟』(集英社)

「百まで生きて、その間、直美のことを、ずぅっと憶えていよう」

いちご同盟 (集英社文庫)いちご同盟 (集英社文庫)
三田 誠広

集英社 1991-10-18
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中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。
徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい話し相手になって彼女を慰める。
ある日、直美が突然良一に言った。
「あたしと、心中しない?」
ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死をリリカルに描いた長篇。(裏表紙・あらすじより)


文庫コーナーをぐるっと見て、”読んだことのない作家さんの本”を探り、表紙の写真にひかれて選んだ一冊。
教室の、凛とした風景。
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私の衝動買いでは珍しい、ヒット!でした。
1日あれば、読めるページ数です。
けして、小難しくも、固くも、暗くもない。
後半を電車の中で読んでいる内に、涙で目が潤んできていました。
何て、瑞々しくて、澄んでいるんだろう。

主人公である良一はピアノの講師をしている母に反感を抱きながらも、ピアノを弾くことも諦められず、成績も伸び悩み、進路に悩んでいるところ。
そして、自殺した小学生の誰にぶつけたのか知れない遺書に関心を持ったことから、生きるということ、死ぬということについて考え始める。
そんな中、出会う徹也と直美。
良一の学校の野球部でスター的存在、明るくて、女子にも人気がある。
推薦をもらい、高校への進学も決まった。
しかし、良一から見た徹也は”悲しい時に、わざと明るくふるまう””そんなやつ”
徹也は非常に素敵です。
兄妹のように育った、幼なじみの直美が病魔に侵されていく中、彼は沈んだ顔を見せることなく、常に直美に正面から接し、「いじけている」とストレートに言葉をぶつける。
人前では冗談を飛ばし、直美の病気が進行する中でも同級生の前ではおちゃらけているけれど、その心の中はいつも直美のことを考えている。
病のせいか、少し大人びたところを含む直美も真っ直ぐです。
病気のことで涙をこぼしつつも、「うふっ」と時折、笑顔を見せる。
徹也が大事に思い、良一がひかれていくという設定に無理がなく、自然でした。
物語を通して、良一自身も様々なことを考え、成長していきます。

重い病にかかった少女が出てくる、というのはありふれた題材かもしれないけれど、それに主軸を置き、直美にクローズドアップされたストーリーではない。

この作品は少年少女の心の成長を描いています。
愛と勇気、そして、希望の物語です。

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山田悠介『パズル』(角川書店)

パズルパズル
山田 悠介

角川書店 2007-06
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超有名進学校のエリートクラスが謎の武装集団に占拠された。
銃を備えた彼らから人質となった、皆に嫌われている担任教師を救うには校内に隠した2000ピースを探し出し、パズルを完成させるしかない。
48時間という制限時間の中、バラバラのクラスメイトたちは団結し、パズルを完成することができるのか?

山田悠介さんの作品を文庫になると、チェックする私。

…うーーーーーん。

あとがきで、山田さん本人が「自分の若さというか、青さを感じます」と3年前に書いた本作を振り返られていますが、まぁ、そうですね…。
私は発想自体、山田悠介さんの作品は好きです。
ただ、「文章を読む」ということをもうちょっと楽しませてもらえたらいいな、と思います。
以前にも『心霊探偵・八雲』の感想で同じ文芸社からデビューの神永さんと比較したりもしたけれど。
文章自体は、小説よりも、3年の月日を重ねた”あとがき”の方が読み易かったです。

担任の教師は最悪で、みんなが嫌っている、でも、命は大切だ、助けないと。
その流れは分かるけれど、そこへ辿り着く過程が具体的でないから、”ひとの命”という題材を扱っていて、それを”救う”ために奔走するストーリーであるはずなのに、”命の重さ”が伝わってこない。
勿体ない。
『リアル鬼ごっこ』の方がその点では良かったかもしれない。

キャラクタも、主人公をもっと魅力的に描いて欲しい。
少人数クラスとはいえ、10数名の人間が出てくるのだから書き分けは大変。
その分、主人公をもっと際立たせて欲しかった。
他のクラスメイトが彼に対して、反感を多少覚えるということに共感できてしまい、あまり好きにはなれませんでした。

毎回、批判している気がするけれど、次も読みます…(笑)
これでも、応援している、いちファンではあるんですよぅ><

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森博嗣『赤緑黒白』(講談社)

「貴女の幸せは、僕の幸せです」


赤緑黒白―Red Green Black and White赤緑黒白―Red Green Black and White
森 博嗣

講談社 2005-11
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Vシリーズ10作目にして、完結巻。
赤く、塗装された死体がある日発見される。
被害者は赤井という名の男性。
彼の恋人であったという女性が「犯人を知っている」と保呂草の元へ、調査依頼にやってくる。
そんな中、第二の死体が見つかる、今度は死体は緑色に塗られていた…。


先ず、最初の方にある”登場人物”を見て、感嘆。
Vシリーズのメインキャストが勢揃い!

紅子&警察VS犯人とのやりとりにハラハラし、

ラスト、地面に着地しようとしたところを足払いされたかのような気持ちです。

「…えぇぇぇー!!!?」

びっくりして、「あぁ、Vシリーズもこれで終わって寂しい…」という感傷が一瞬吹っ飛びました。
まさか、こういうかたちで驚きの波がやってくるとは!
冷静に「やっぱりね…」って感じる読者の方もいるんかなぁ…すごい…。

シリーズ完結編にして、新たなる始動を告げる傑作。
裏表紙のあらすじに、こう書かれていたので、期待しつつ読んでいたのですが、鈍い私にはもひとつぴんとこず。
菅聡子さんによる解説を読んで、やっと理解できたところもあったりして。

すべてのシリーズは何かしら通じている…。
でも、こうこうこういう風に繋がっている、というようなことはさっぱり分かっていなかったので(笑)未だに宙をくるくる浮いている状態です。
謎が謎のまんま。
シリーズを読み終えた現在だから見えている、見えてきたこともあるので、本当ならここでもう一周しなくちゃなのかもです。
そ、そのうち…^^;

しかし、Vシリーズを読んで、感じたことはS&Mシリーズよりも、キャラクタや森博嗣作品に愛着を持っているひと向けだな、と思いました。
Vシリーズを読む前に前知識を入れていることによって、楽しみ方が変わってくるな、ということもそうだし、ミステリとしても、トリックを解くことがメインテーマというよりもキャラクタたちがどう動くか、ということが大きな要素のように感じました。
キャラクタにはまった人間にとっては、面白いけれど。
今回の謎解きのシーンは「一般的ミステリ」の雰囲気を”含んで”(一部。それがすべてではない)いたので、ちょっと意外でした。
意外や意外、そこからまた引っ張りまわされる。

保呂草さんと紅子さんのラストシーンは、すごく素敵。
そして、”あの”彼と紅子さんのシーンも、ちょっと切なくなってしまいました。

これから先、またVシリーズの面々と違うかたちで出会える日が来ないかもしれないけれど、来るかもしれない。
私が”そう思えばいつだって”会えるかもしれない。
その日を楽しみにしておこうと思います。
「じゃあ、さようならは、やめておこう」

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森博嗣さんの記事 in 読売新聞

先日の日曜日(7月8日)、読売新聞のよみうり堂にて(HPでも参照できます)森博嗣さんの記事が掲載。
新作にてシリーズ完結巻にあたる『クレィドゥ・ザ・スカイ』が取り上げられていました。

クレィドゥ・ザ・スカイクレィドゥ・ザ・スカイ
森 博嗣

中央公論新社 2007-06
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ストーリーの順番としては(「森博嗣の浮遊工作室」参照)
『ナ・バ・テア』→『ダウン・ツ・ヘブン』→『フラッタ・リンツ・ライフ』→『クレィドゥ・ザ・スカイ』→『スカイ・クロラ』
という順番になるそうで、一番最初に出た『スカイ・クロラ』を一番最後に動かしてしまうという、またまた驚きの構成。
私はまだ『スカイ・クロラ』しか読むことができていないので、次に読むのは『ナ・バ・テア』。
だから、『クレィドゥ・ザ・スカイ』まで読むことができたら思い出す意味も兼ねて改めて『スカイ・クロラ』を読もうと思っています。

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戦闘シーンの描写に関してふれられると、
「戦うことは純粋で美しいという感覚を、子どもは持っている。スポーツがそうでしょう。なのに、大人は戦いは醜い、過ちだと決めつける」
「こういう小説があるということで、社会の常識と自分とのギャップに悩む若者が救われれば」

理解力に乏しいぽっぽは、この記事だけ読んで、もひとつ森さんが戦争に対してどのように考えているのかが分かりかねていたのですが、ちょうど『朽ちる散る落ちる』を読んでいて、少し感じることができました。
紅子が”力”について、語るシーンで、こんなことを述べます。
「これこれ、こういう理屈だから、戦争や人殺しはいけない、という理由をつけようとする。そこに矛盾が生じる。(中略)学校では子どもに理屈を教えようとする。(中略)彼らは自分たちの理屈を求めて、より高等な、より説得力のある論理を築こうとする。その一部が、やがては反動の力を生むのです。」
間違っているのは「最初の理屈」だと言います。
もともとは理屈などない。
「人を殺したら気持ちが悪い」
「友達が死んだら悲しい」
「嫌だ、というとてもシンプルな気持ち、それがすべてなのよ」
先達の記事にもやもやしていた私にとって、目からウロコが落ちるかのような一節でした。
思わず、泣きそうになったくらい。

最近、連続して森博嗣さんの作品ばかり読んでいるのですが、ますますはまっていきそうな勢いです^^;
でも、あと1作品を読んだら、ちょっと浮気に走ります(笑)

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森博嗣『朽ちる散る落ちる』(講談社)

朽ちる散る落ちる―Rot off and Drop away朽ちる散る落ちる―Rot off and Drop away
森 博嗣

講談社 2005-07
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土井超音波研究所の地下にて、謎の死体が発見された。
出入りは不可能な密室。
自殺なのか?
他殺ならば、その加害者はどうやってこの部屋を出ることができたのか?
一方、紅子は数学者・小田原の紹介により、周防教授という人物に会い、地球に帰還した有人衛星に関する事件についての話を聞くことに。
地下の密室、宇宙の密室。
Vシリーズ第九弾。

事件本体にそんなに関わってこないとはいえ、”あの人”が出てくるので、『魔剣天翔』『恋恋蓮歩の演習』を読んでいる方がいいかなと思ったり。
それよりも、『気さくなお人形・19歳』(短編集『地球儀のスライス』収録)がこんっなに後々リンクしていくやなんて思わんかった!
これを読んでから『六人の超音波科学者』、本作を読むと、また分かりやすいかも。

紅子に対する林の想い。
へっくんに対する紅子の母親の一面。
そういったところを今回少し知ることができます。

れんちゃんって、女の子に(男性にも優しいだろうけれど)優しいなぁとしみじみしたり。
すごく純粋な子だと改めて思いました。

密室の謎に関してはもう、完全に解かり得るレベルを超えてしまっていて、遠巻きに読みました(笑)
でも、それはミステリとして面白くないということではないです。
勿論、自分でクイズを解くかのようにミステリを楽しみたいというファンには手が届かない歯がゆさがあるかもしれませんが。

ラスト、思いの外、明るく、ちょっと切なく、終わります。
読み終わった心地が好きな作品。

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森博嗣『捩れ屋敷の利鈍』(講談社)

捩れ屋敷の利鈍―The Riddle in Torsional Nest捩れ屋敷の利鈍―The Riddle in Torsional Nest
森 博嗣

講談社 2005-03
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エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣が眠る”メビウスの帯”のかたちの捩れ屋敷。
その屋敷の中で、密室状態の中、死体が見つかり、宝剣が消えた。
そして、第二の死体が発見される。
招待されていた保呂草と西之園萌絵が事件の謎に迫る。
VシリーズとS&Mシリーズが交差する、Vシリーズ第8弾。


これは、ファンにはたまらない1冊。
なんと、S&MシリーズとVシリーズが一部の人物だけとは言え、一緒に登場するのだから。
一部、そう、しこさんとれんちゃんは全く出てこない作品であるので、それがちょっと残念。
でも、保呂草さんと萌絵ちゃんが絡むのがとても不思議。

保呂草さん、だんだん泥棒要素が強くなってきている気がします。
ダークな雰囲気と(笑)

萌絵ちゃんは今回、保呂草さん視点で読むことにより、また違う感覚も得ることができます。
国枝先生は、相変わらずの感じです(笑)
ちょっとだけれど、電話で犀川先生もちらりと登場するので、嬉しかった☆

と、キャラクタに夢中になっていたのもあり、もひとつミステリとしての楽しみが薄くなってしまいました。
物語における事件の重大性ももひとつ感じられず。
というか、犯人が誰で、動機はこれで、というのも限りなく確定に近いとはいえ、”推測”じまいなのでは??
えっ…いいの????…いいか(笑)


ミステリファン向けではなく、森博嗣ファン向け。

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映画を観る→『憑神』

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代々将軍の影武者をつとめてきた家柄の身であり、文武の才もある彦四郎であったが、とある事件をきっかけに婿養子先から離縁をつきつけられてしまう。
ある日、以前からの知り合いである榎本武揚と行きつけの蕎麦屋で再会する。
軍艦頭取にまで出世している彼の姿と現在の自分の姿を比べ、落ち込む彦四郎。
そんな彼に蕎麦屋の親父が榎本の出世の理由は「向島の三囲稲荷にお参りした」からだと彦四郎にも行くように勧める。
半信半疑の彦四郎。
しかし、その日の帰り道、酔っ払った拍子に土手を転がり落ちた彦四郎は偶然祠を見つけ、ついでとばかりに拝んでしまう。
彼が拝んだ祠には「三巡稲荷」と刻まれており、「みめぐり」違い…。
その日をきっかけに、彦四郎に災いの神が訪れる-貧乏神、疫病神、そして…死神!


妻夫木くんが出ているが故に観に行ったような感じです。
お侍姿、凛々しかったv
真面目で、真っ直ぐで、優しい彦四郎に夢中。
ただ、お母さんや兄に対してはしっかりした弟だ!と思うのだけれど、奥さんや息子に対してはもひとつ威厳に欠ける気がしました。
もうちょっと彦四郎の父親としての顔も観たかった。
最後の説教だけでは息子の一太郎と心が通い合うには弱い気がする。
生きるということに真摯な姿勢で挑んだ彦四郎は、とても素敵でした。

キャストが実は豪華。
佐藤隆太くんが西田敏行さんに呪文を掛けるシーンが一番場内ウケていました。
お兄さん役の佐々木蔵之介さんも良かった、すんごいダメなお兄ちゃんなんやけれど。

3人の神様、貧乏神=西田敏行さん、疫病神=赤井秀和さん、死神=森迫永依ちゃん。
西田さんの登場とともに、ちょっと笑いが場内に起きました。
赤井さんは「~でごんす」っていう語尾が微妙…関西弁だけでいいのに!
永依ちゃんは本当にキュート!
一番可愛いのに、一番容赦ない感じの死神。
だんだん彦四郎に惚れ込んじゃうんだけれど、彦四郎と死神のおつやのやりとりは微笑ましかった。

けっこう楽しく観ていて、ラストの戦のシーンも迫力があり、夢中で観ていたのですが、爆発の映像がすごく違和感を感じてしまい、ちょっと冷めてしまいました。
斬り合ったり、銃で打ち合うシーンに感じられた臨場感が爆破の映像によって、急に安っぽい戦に見えてしまいました。
そして、その中での彦四郎の最期が映像としてはかすんでしまって、残念でした。
もうちょっとカッコ良く終わってほしかった…。
そして、浅田次郎さんが出てきたのには驚きました。
えぇー!!こんなとこで!!って(笑)
出るのはいいけれど、浅田さん…^^;

米米CLUBによる主題歌のノリ、けっこう好きv

憑神憑神
浅田 次郎

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森博嗣『六人の超音波科学者』(講談社)

大切だからって、いったい何なのでしょうか? 大切なものって、何が大切なのですか? 大切に思うことが大切なのかしら? それとも、大切だと教えることが大切なの? 私の申し上げていることがわかりますか?


六人の超音波科学者―Six Supersonic Scientists六人の超音波科学者―Six Supersonic Scientists
森 博嗣

講談社 2004-11
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土井超音波研究所にて開かれたパーティに出席することとなった紅子と阿漕荘の面々。 その最中、死体が発見される。 研究所への道の途中にある橋は何者かによって、爆破され、現場は陸の孤島と化してしまう…。 Vシリーズ7作目。


科学者たちが勢揃いするこの作品。
紅子の科学者の面が色濃く出ている回でもあります。
推理の説明をするシーンは、優しく、そして、鋭かったです。
先生が生徒を諭すかのような謎解きシーンでした。

そして、また祖父江さんとの恋愛対決?が。
林さんは一体どちらを選ぶつもりなのでしょうか。
紅子さんが林さんに嬉しくて飛びついたり、愛想が無くて怒ったりと、女性らしい面もばっちり読めちゃいます。

今回は紅子さんたちがピンチに、中でもれんちゃんが大変なことに…。
油断なりません。
ハラハラしながら読み進めておりました。

少し『すべてがFになる』が頭をよぎる作品でもありました。

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映画を観る→『転校生 さよならあなた』

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↓ 映画のノベライズ

おれがあいつであいつがおれでおれがあいつであいつがおれで
山中 恒

角川書店 2007-05
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両親の離婚を機に幼少時代を過ごした信州に戻ってきた一夫。
そこで再会したのは彼女曰く、「お嫁さんになるってキスした」幼なじみの一美。
気さくに話しかけてくる一美のペースにいつの間にやら引っ張り込まれ、一夫は一美の家である蕎麦屋を訪問することになる。
そして、昔話をしながら”さびしらの水場”へ向かう二人であったが、誤って水の中へ落ちてしまう。
這い上がり、自宅へ戻る一夫。
しかし、洗面所の鏡に映った姿は一美!
カラダとココロが入れ替わってしまった二人、そして、一夫(in一美)は病に倒れ…。


大林宣彦監督作品は『理由』のみ鑑賞経験あり。
薄暗いシーンばかりで、独特のテンポ。
退屈と、怖さとの両方で、途中までしか観ていない始末。
『理由』は宮部みゆきさんの小説が原作で、原作からして変わったつくりであったので、一概に映像作品の出来が悪いとは言えないのですが。
キャストの豪華さだけでも観る価値はありますし、いつかまた観てみようと思っています。

さて、『転校生』。
25年前の小林聡美さん、尾身としのりさん主演の作品が非常に気になる今日この頃。
観る前は、きっとスローテンポで、ゆったり進むんやろうなぁ、となーんとなくそう思っていました。
しかし、最初っから台詞のペースが速い速い。
早口。
おかげで退屈することはなかったけれど、ちょっとせっかちやなぁとのっけから感じました。
台詞回しも微妙に古い…時代設定は現代であるならば、もうちょっとそのへんも気にして欲しい。
イマドキの男の子って「~かい?」や「~だぜ」って、言うんやろか。
唯一、現代らしく、面白いと思ったんはメールのやりとりで、一夫(中身は一美)が喋る文章をメールで一美(一夫)が打つシーン。
☆=「ほしまーく」。
文章だけ見たら真面目なのに、☆をちゃんと入れる辺りが何か可愛かった(笑)

私はとにかく蓮沸美沙子ちゃんがイチオシ!!です。
映画『バッテリー』でヒロインを演じていた時に、涼しげな顔だちと佇まいがいいなと思ったのですが、今回主演ということで、彼女の演技をたくさん鑑賞できました。
一美の時も空想好きな女の子を等身大で演じていて。
一夫と中身が入れ替わってからは下着姿でばたばた走るところも、下手したら下品なだけになってしまいますが、彼女が爽快に駆けて行く姿に中和されました。
サービスシーンであるかのように露出の回数が多かったのは目につきましたが、彼女の根性を観ました。
オトコマエ!
オトコマエ過ぎて、実際の一夫以上に男らしく感じた、一夫in一美…(笑)
そんなに彼女の下着姿もいやらしく見えないように撮ってあるし、演じていると思ったのですが、こーいちさんのレビューやコメントを読んで、確かに未成年に露出させ過ぎかも…とちょっと考えてしまいました。

一美の彼氏であるヒロシくんは…いくつなんだろう…(笑)
気障、というだけでは説明がつかないキャラクタです。
もうちょっとうまく活かしてほしかったな。

ラストに関しては、どうせ、そういう流れで元に戻るのであれば、病気に関してもご都合主義の展開でよかったんじゃないだろうか、と思ってしまいました。
青春”逆転”ファンタジー、と銘打っている割には、一美がかかる病気の話が妙に浮いているような気がしました。

映像の撮り方や、空気は好きな映画に入るのですが、お話の流れに多少不満あり。
懐かしい空気は感じましたけれど。
突然一美が創り出した歌も、終わってからもずぅっと頭を回っています(笑)

私の中では蓮沸さんの爽やかさのイメージが何よりも強いです。

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映画を観る→『スパイダーマン3』

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NYのヒーローとしてもてはやされるスパイダーマン=ピーターにある日突然謎の液状生命体がとりつく。
黒いスーツに身を包んだピーターは新しい力を感じるとともに、自我を失ってしまう。
そんな中、判明する愛するベンおじさんを殺した真犯人、そして、黒いスーツを着た時に起きた事件をきっかけにピーターを憎む記者。
MJとのすれ違い、ハリーとの確執。
ピーターはすべてを乗り越えることができるのか?


時間がちょうど良かったので、観に行って来ました。
とりあえず。
謎の液状生命体って何なのさ。
突然空から降ってきて、ピーターを惑わせて、ラストは木っ端微塵。
…一体何だったんだろう…???


ピーターは相変わらず、いい子です。
要領が悪いけれど、運も相変わらずあんまりなさそうだけれど(笑)いい子です。
そんな彼が黒い生命体にとりつかれてからというもの、悪いピーターになってしまうのですが、似合わない…。
カッコつけている様が痛々しい…バカなピーター!
ハリーに脅され、ピーターに別れを切り出したMJに対する後々の行為は本当に嫌がらせ。

しかし、アクションシーンは面白かった。
3回は5cmくらい飛び上がりました、びっくりして。
ビビリです。
ある程度「ここがびっくりポイントだ!」と絞り込んでみるのですが、一瞬のスキをついてポイントがきてしまい、何回か見事に驚く羽目に。
最初の方のハリーとの戦闘シーンでは口開いてしまうくらいに夢中でした。

ハリー…切ない役どころでした。
「親友。命だってやれる」
その言葉に、彼の本当の人柄が出ていました。
せっかく、ピーターと和解できた矢先だったというのに…。

観終わった女性が「しっとりと終わったな」と言っていましたが、本当にそう。
もっと痛快!爽快!でもいいのになぁ、とちょびっと思ってしまいました。

2の時は1を観ずに行った分、3は2を観ていたということもあって、観やすくは感じました。

スパイダーマン3スパイダーマン3
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